「平井東小学校渡り廊下問題 なぜ“軽い処分”なのか――契約不履行ではないの?」

江戸川区立平井東小学校の渡り廊下工事で、安全性を欠いた施工が行われていた問題。
第三者委員会の検証を経て、8月8日、施工業者が株式会社スイコウ建設であることが発表されました。

同時に江戸川区は、この業者に対し、8月5日から9月4日までの1か月間の指名停止処分を行うとしました。
指名停止とは、一定期間、区の入札に参加できなくする措置です。

しかし、この処分内容には、いくつもの疑問があります。


実質的なペナルティになっていない

株式会社スイコウ建設は現在、下鎌田小学校の改築工事を請け負っています。
会社規模や契約状況を考えると、当面は新しい入札に参加する見込みはないと考えられ、1か月間の停止は事実上ほとんど影響のない処分になっているのではないでしょうか。


なぜ軽い条項を適用したのか?

さらに、処分理由として区が適用したのは、江戸川区指名停止措置要綱・別表第2の「6 不正又は不誠実等の行為」。
これは幅広く使える抽象的な条項で、比較的軽い処分に使われることが多い項目です。

ところが今回の事案は、建築基準法に適合していない施工物が設置され、安全性が欠如していました。
区もこれを「契約不適合責任」と認め、約789万円の損害賠償請求を行っています。

これは契約不履行(仕様違反・品質不良)にあたり、本来であれば要綱別表第1にある「契約違反」に該当し、より長期間の処分対象となるのではないでしょうか。
あえて軽い条項を選んだ理由は何だったのか――この点の説明がまったくされていません。


区の説明責任

私はこの件について担当課長に説明を求めましたが、現在のところ明確な回答は得られていません。
これでは現場や保護者、地域の不信感を深めるだけです。


下鎌田小学校への影響

同じ業者が現在も学校施設の工事を行っている以上、地域住民や保護者が不安を抱くのは当然です。
私は、特別な安全確認、そして保護者・地域への説明を行うべきだと考えています。


教育施設は、子どもたちが日々過ごす大切な場所です。
処分が「形だけ」にならないよう、なぜ軽い条項を適用したのか、その判断過程を明らかにし、信頼回復につながる対応を求めていきます。