江戸川区長記者会見を解説!豪雨対策・待機児童・新たな子ども未来館など6つの発表

江戸川区長定例記者会見の概要。豪雨対策、災害時の水の確保、待機児童対策、新たな子ども未来館、物価高対策など6つの発表

9月17日、第3回江戸川区議会定例会を前に、江戸川区長の定例記者会見が行われました。

今回の会見では、豪雨などの災害対策から、待機児童対策、新たな子ども未来館、物価高への支援まで、区民生活に関わるさまざまな発表がありました。

特に子育て世帯にとっては、「大雨のとき学校はどうなるの?」「保育園に入れるの?」「新しい子どもの施設はどこにできるの?」など、気になる内容も多く含まれています。

ポイントを分かりやすくまとめます。

① 大雨のとき、学校や区施設はどうなる?判断基準を事前に公表へ

近年、短時間での猛烈な雨が増えています。江戸川区でも7月17日、8月13日に「大雨危険警報レベル4」が発令されました。

こうした際に、「学校は休みになるの?」「区民館は開いているの?」と迷うことがありました。

そこで区は、警報発表時に学校や区施設を閉める基準を、平常時からホームページなどで公表する方針を示しました。

区長の説明によると、小中学校については、前日の14時時点で翌日の6時~18時にレベル3以上となる見込みの場合、登校ではなくオンライン授業に切り替える考えです。幼稚園・保育園については休園となります。

一方、区民館、コミュニティ会館、文化・スポーツ施設、図書館などは、基本的にレベル4で閉館する考えが示されています。

また、小松川第一トンネルでは、冠水対策として新たに3台のカメラを設置。離れた場所からもトンネル内外の状況を確認できるようにします。

先日の大雨でも、学校を休校にするのかどうか、各自治体で判断が分かれました。

天候は予測通りにならないこともあるため、すべてを機械的に決めることは難しいと思いますが、「どういう基準で判断するのか」をあらかじめ区民に示しておくことは大切だと考えています。

② 大規模災害が起きたら「水」はどうする?

今回かなり詳しく説明されたのが、災害時の水の確保です。

東京都の想定では、首都直下地震が発生した場合、江戸川区で発災直後に水道が供給されるのは約32万人、供給率44.1%。約70万人全員への供給が回復するのは17日後という想定です。

そこで区内には、断水時にも給水できる給水所・応急給水槽が8か所あり、さらに避難所給水拠点13か所へ水を運ぶことで、区内のどこからでも徒歩20分以内で水を確保できる体制をとっています。

さらにスタンドパイプを区内136か所に設置し、徒歩5分以内で給水できる体制を目指すとの説明もありました。

ただし、水は「飲めればいい」というものではありません。

お風呂、トイレ、洗濯などの生活用水も必要です。

区では公共施設127施設に376基あるシャワーの活用や、区内23か所の公衆浴場との連携を検討。また、マンホールトイレは現在1,066基あり、防災井戸や学校のプールの水なども活用していく考えが示されました。

災害時の「水」というと飲料水に目が行きがちですが、長期の避難生活を考えれば、トイレや衛生環境まで含めた備えが重要です。

③ 待機児童が75人に。来年4月に700人分の定員拡大へ

子育て世帯にとって非常に大きな発表です。

江戸川区では令和4年度から令和7年度まで4年連続で待機児童ゼロを達成していましたが、令和8年度は75人の待機児童が発生しました。

内訳は、

0歳児18人、1歳児57人

です。

資料では全国で5番目に多い待機児童数となっています。

一方で、単純に「保育園を増やしてこなかった」という話でもありません。

過去10年間で認可保育施設は110園から186園へ76園増加、定員も11,357人から16,717人へ5,360人増加しています。さらに令和8年度は、保育施設を利用する児童の増加数が466人と全国の自治体で最も多く、定員も590人増やしています。

それでも0・1歳児を中心に需要が上回った形です。

区は令和9年4月に向けて、

  • 新しい保育園5園を開設:約360人
  • 0~2歳を受け入れる園を3園追加:約140人
  • 区立園の定員増、私立園の弾力化など:約200人

合わせて700人分の定員拡大を目指します。

ただ、施設だけ増やしても保育士がいなければ受け入れられません。

そのため、保育人材確保への支援についても拡充する方針が示されました。

江戸川区は子どもの人口自体は減少しています。それでも保育需要が増えているということは、人口だけでは今後の保育ニーズを予測できないということでもあります。

働き方や保育ニーズの変化もしっかり見ながら、必要な受け皿を確保していく必要があります。

④ 北葛西に「新たな子ども未来館」

私が特に注目しているのが、こちらです。

現在、篠崎町には「子ども未来館」があり、小学生を対象にさまざまな探究型の講座を行っています。2025年度には573回の講座が開催され、延べ11,858人が参加しました。

今回、2つ目となる「新たな子ども未来館」を整備する方針が示されました。

場所は、今年3月に閉園した旧宇喜田幼稚園(北葛西4丁目)です。

土地・建物を区が購入するため、今回の補正予算案には26億4,407万円が計上されています。建物は2015年築と比較的新しく、既存施設を活用します。

現在の子ども未来館が持つ「学び」に加え、新施設では屋内で「学び」「遊べる」施設を目指すとのこと。

内容については、民間事業者だけでなく、子どもたち自身の意見も聞きながら検討していく予定です。

令和8年度に土地・建物を取得し、令和9年度に基本計画策定・工事、令和10年度の開設が予定されています。

子どもたちが雨の日や猛暑の日にも安心して過ごせて、さらに「やってみたい」「もっと知りたい」という気持ちを伸ばせる場所になることを期待しています。

一方で、26億円を超える土地・建物の取得となりますので、議会でも内容や費用についてしっかり確認していきたいと思います。

⑤ 物価高に苦しむ区内事業者への支援

物価高への対応も発表されました。

区が行った産業実態調査では、区内事業者から固定費への補助や資金繰りへの支援を求める声が多く寄せられたとして、介護・保育施設への物価高騰支援に加え、融資制度を拡充します。

「経営安定資金特別融資」では、融資限度額をこれまでの1,000万円から2,000万円へ拡大。本人負担となる金利は0.5%となるよう利子補給を行い、信用保証料は全額補助する方針です。

物価や人件費などの上昇が続く中、区内の事業者が事業を継続できる環境づくりも重要です。

⑥ 江戸川区の公式PRキャラクター「エドリバー」

最後は少し楽しい話題です。

これまで江戸川区には、なんと35体ものキャラクターがありました。

そこで区を代表する公式PRキャラクターとして誕生したのが、「エドリバー」です。

缶バッジ250円、ポロシャツ3,000円などのグッズ販売も始まっており、今後はアクリルスタンドやシールなども予定されています。

面白いのは、単なるPRグッズではないところ。

缶バッジなどの一部の制作工程を区内の福祉作業所に依頼し、障害のある方の就労収入の確保にもつなげる取り組みになっています。

また、江戸川ナンバーの寄付金を活用し、エドリバーをデザインした反射材キーホルダー約6,300個を制作。地域イベントや交通安全教室などで配布する予定です。

今回の記者会見を受けて

今回の記者会見は、災害対策、子育て、地域経済など、区民生活に直結する内容が多くありました。

特に私は、待機児童対策と新たな子ども未来館、そして豪雨時の学校の対応に注目しています。

行政が新しい施策を打ち出すことは大切ですが、それが実際に区民にとって使いやすいものになっているのか、費用に見合った効果があるのかまで確認するのが議会の役割です。

今回発表された内容の中には、第3回定例会の補正予算案としてこれから議会で審査するものもあります。

私自身も、子育て中の一人として、そして区議会議員として、「発表されて終わり」ではなく、その後どう実施されていくのかをしっかりチェックしていきます。

また議会で分かったこと、新しい動きがあれば、こちらのブログやSNSでも随時お知らせしていきます。

江戸川区議会議員として、子育てと教育に取り組む理由

江戸川区議会議員の林あきこです。

私が江戸川区議会議員として特に力を入れている政策の一つが、子育てと教育です。

なぜ、この分野に力を入れているのか。

その原点は、私自身が江戸川区で子どもを育てる中で感じた、たくさんの「もっとこうなればいいのに」「なんでこんなに不便なんだろう?」という小さな疑問でした。

出産をきっかけに、行政が一気に身近になった

子どもを産む前の私は、行政との接点がそれほど多いわけではありませんでした。

ところが、妊娠・出産をすると状況が一変します。

妊婦健診、出産後の健診、子どもの予防接種、保育園への入園、そして子どもが小学生になれば学校や学童――。

子どもが生まれたことをきっかけに、行政サービスが生活のすぐそばにあることを実感するようになりました。

同時に、実際に制度を利用する側になったからこそ、気になることも増えていきました。

特に、働きながら子育てをしていると、

「もっとこういう仕組みだったら使いやすいのに」

「どうしてこんなに手続きが大変なんだろう?」

「今の働き方や子育ての実態に、制度が追いついていないのでは?」

と感じる場面が少なくありませんでした。

保育園のこと、学童のこと、学校のこと。

一つひとつは日常の中の小さな困りごとかもしれません。

でも、同じような不便を感じている家庭がたくさんあるのであれば、それは個人の問題ではなく、行政の仕組みとして考えるべき課題なのではないか。

そんなことを考えるようになりました。

「だったら江戸川区の職員になろう」

そこで私が最初に考えたのは、政治家になることではありませんでした。

「だったら、自分が行政の中に入って変えればいい」

そう考え、特別区(東京23区)の経験者採用試験を受験することにしました。

当時の私は民間企業で働いていましたので、その経験を行政でも生かしながら、江戸川区の子育て環境をもっと良くしていきたい。

そんな思いで試験に挑戦しました。

ところが、面接試験の準備をしていたとき、思いがけない転機が訪れます。

模擬面接で言われた「それは区議会議員の仕事です」

予備校で模擬面接を受けたときのことです。

面接官役の方から志望動機を聞かれ、私はこれまで考えてきたことをそのまま話しました。

江戸川区で子育てをする中で、制度について「もっとこうした方がいい」と思うことがある。

自分の経験を生かして、子育てしやすい江戸川区にしていきたい。

そんな話をしたところ、返ってきたのが、

「その志望動機は、区役所の職員ではなく区議会議員の仕事ですね」

という言葉でした。

言われてみれば、確かにその通りでした。

行政職員は、法律や条例、予算などに基づいて行政サービスを着実に実施していく立場です。

一方で、「この制度を変えた方がいいのではないか」「新しい仕組みをつくれないか」と住民の声を行政に届け、政策として提案し、予算や制度をチェックするのは、まさに議会の役割です。

そこで初めて、

「区議会議員になるという方法もあるのか」

と考えるようになりました。

志望動機ではなく、志望先を変えました

普通なら、採用試験に合格するために志望動機を書き直すところだったのかもしれません。

でも私は、

志望動機を変えるのではなく、志望先を変えることにしました。

そこから「選挙に出るって、そもそもどういうことなんだろう?」と調べ始めました。

選挙の仕組みも、政治の世界も、最初から詳しかったわけではありません。

それでも、自分が江戸川区で暮らし、働き、子どもを育てる中で感じてきたことを、行政の仕組みを変える側から届けてみたい。

そう考え、江戸川区議会議員選挙への挑戦を決めました。

そして選挙を経て、江戸川区議会議員として仕事をすることになりました。

子育ての「小さな困った」を政策につなげたい

議員になった今でも、私の原点は変わっていません。

子育てをしていると、

「これ、もう少し何とかならないかな」

と思うことがたくさんあります。

保育園、学童、学校、不登校、特別支援教育、外国籍の子どもへの日本語教育、登下校の安全、保護者と学校との関係など、子育てや教育を取り巻く課題は多岐にわたります。

行政から見れば一つの「制度」であっても、利用する家庭にとっては毎日の生活そのものです。

だからこそ私は、制度をつくる側の論理だけではなく、実際に子育てをしている人がどう感じるのか、子どもにとってどうなのかという視点を大切にしたいと思っています。

もちろん、すべての要望を行政サービスで解決できるわけではありません。

限られた税金を使う以上、本当に行政が担うべきことなのか、費用に見合った効果があるのかという視点も必要です。

そのうえで、時代や生活の変化に合わなくなった制度は見直し、必要なところにはしっかりと支援を届ける。

そんな江戸川区にしていきたいと考えています。

江戸川区で子どもを育ててきた一人として

私が政治の世界に入ったきっかけは、何か大きな政治理念が最初にあったからではありません。

江戸川区で子どもを育てながら感じた、

「もっとこうなればいいのに」

という、とても身近な疑問でした。

あのとき模擬面接で言われた一言がなければ、私は今、区議会議員をしていなかったかもしれません。

けれど、入口は小さな疑問だったとしても、議員になって行政の仕組みや予算を知れば知るほど、子育てや教育をより良くするために議会ができることはたくさんあると感じています。

これからこのブログでも、江戸川区の子育て・教育に関する制度や課題、議会で私が質問・提案していること、そして実際に制度がどう変わったのかを、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。

「江戸川区のこの制度、どうなっているの?」

「こんなことで困っている」

そんな日常の小さな疑問や声も、ぜひお寄せください。

一つひとつの声を、江戸川区をより暮らしやすくするための政策につなげていきたいと思っています。

日本語入門初期指導推進モデル校・清新ふたば小学校を視察しました

江戸川区立清新ふたば小学校の日本語学級「あさがお」。日本語入門初期指導推進モデル校の視察報告。

今年度、東京都の「日本語入門初期指導推進モデル校」に指定されている、江戸川区立清新ふたば小学校を視察してきました。

清新ふたば小学校がある葛西地域、特に清新町には、外国にルーツを持つ子どもたちが多く暮らしています。学校でもその割合は年々増えてきています。

こうした中で重要になっているのが、日本語の指導です。

入学、転入直後の「最初の3か月」を支援

今回視察した「日本語入門初期指導」は、日本語指導が必要な児童が、できるだけ早く日本での生活や学校生活に適応できるよう支援する取組です。

東京都では今年度、4地区8校をモデル校に指定。江戸川区では、清新ふたば小学校と小岩第四中学校が指定されています。

モデル校では主に、

  • 入学前の日本語教室
  • 入学・転入直後の約3か月間の集中的な日本語指導
  • 異文化や多様性について理解する機会づくり

に取り組んでいます。

今回は実際に、1年生のクラスと、2年生以上の子どもたちのクラスを見学させていただきました。

「日本語を覚える」だけではなく、「授業についていく」ための日本語

特に印象に残ったのは、通常学級での学習と日本語指導をしっかり連動させていることです。

通常学級の担任から、翌週にどのような授業を行うのかを事前に日本語学級の担当教員へ共有。

例えば通常学級の理科で「乾電池と豆電球」を学ぶのであれば、その授業を理解するために必要な日本語をあらかじめ学びます。社会科で歴史を学ぶ場合も同様です。

日本語で日常会話ができることと、国語・算数・理科・社会などの授業を日本語で理解できることは、同じではありません。

単に「日本語を話せるようにする」のではなく、通常学級で一緒に学べるようになることを目指している点は、とても大切だと感じました。

1年生については、単純に文字を繰り返し書かせるのではなく、体験を取り入れながら楽しく日本語を身につけられるよう工夫されていました。

初期指導を卒業したら、従来の日本語学級へ

約3か月間の初期指導を終えれば、それですべての支援が終了するわけではありません。

必要な児童は、従来からある日本語学級で引き続き日本語を学びながら、教科学習を進めていきます。

さらに清新ふたば小学校では、初期指導を終えた児童についても、通常学級で授業についていけているかを担当教員が確認し、必要に応じて支援を続けています。

「初期指導→日本語学級→通常学級」

と、段階的に学びをつないでいく仕組みが見えてきました。

日本語指導だけではない、多文化共生の取組も

清新ふたば小学校では、日本語を教えるだけでなく、学校全体で異なる文化や背景を理解する取組も行われています。

日本語学級の児童による日本語学習発表会のほか、子どもたち自身が企画したラマダンについて紹介する会なども開催。

大人がすべてを企画するのではなく、子どもたちが主体となり、先生方がサポートする形で行われていることも印象的でした。

また、在校生・卒業生の保護者などによる「学校応援団」が、入学説明会での支援や新学期書類記入などを支援しています。

外国にルーツを持つ家庭が増える中、学校の先生だけですべてを担うのではなく、地域の力を生かしていることも、この学校の大きな特徴だと感じます。

課題は、モデル事業が終わった後

一方、今後考えなければならない課題もあります。

この東京都のモデル事業は2年間の事業です。

その後も江戸川区として取組を継続するのであれば、区独自の予算や人員を含め、どのような体制を構築するのか検討しなければなりません。

また、今後は周辺校からの通級も検討されています。

そこで出てきたのが、

「対象を広げることで、利用希望者が一気に増える可能性がある」

という課題です。

ただ、これは「事業を始めたから需要が増える」というより、これまで見えていなかった支援ニーズが表面化する可能性があると考えるべきではないでしょうか。

江戸川区全体で、来日・転入直後の初期日本語指導を必要としている子どもがどのくらいいるのか。

現在、そのうち何人が適切な支援につながっているのか。

まずは実態をしっかり把握する必要があると感じました。

「外国人の子どもに税金を使うのか」という意見について

外国にルーツを持つ子どもへの支援について発信すると、「外国人のために日本の税金を使うことに疑問がある」というご意見をいただくことがあります。

そうした疑問が出てくること自体は理解できます。限られた税金をどこに、どの程度使うのかは、行政として当然考えなければならないことです。

一方で、学校に通う子どもたちの多くは、自分自身の意思で日本に来たわけではありません。親の仕事や家庭の事情などによって日本で生活することになり、日本語が分からない状態で突然、日本の学校に入る子どももいます。

そうした子どもを「日本語ができないから」とそのままにしておくことが、果たして本人にとっても、学校にとっても良いことでしょうか。

授業が理解できなければ、学習の遅れだけでなく、友達とのコミュニケーションが難しくなり、孤立やいじめ、不登校などにつながる可能性もあります。子どもの学ぶ権利という観点からも考える必要があります。

そして、これはその子だけの問題ではありません。

通常学級で日本語が十分に理解できない児童がいれば、担任の先生には個別の説明や対応が必要になります。当然、同じ教室で学ぶほかの子どもたちにも影響します。

だからこそ私は、日本で生活し、日本の学校で学ぶのであれば、できるだけ早い段階で日本語をしっかり身につけてもらうことが重要だと考えています。

これは外国にルーツを持つ子どもを特別扱いするためではありません。

本人が自立して学校生活を送り、周囲の子どもたちと一緒に学べるようにすること。そして先生方が授業を円滑に進められるようにすること。長い目で見れば、地域の中で生活していくための基盤をつくることでもあります。

もちろん、だからといって際限なく予算を投入すればよいということではありません。どのような支援が効果的なのか、どこまで行政が担うべきなのか、費用対効果も含めて検証する必要があります。

今回のモデル事業についても、「外国人支援だから必要」ということではなく、初期段階で集中的に日本語を学んでもらうことが、本人にも、周囲の子どもにも、学校にもプラスになるのか。その成果をしっかり検証した上で、今後の江戸川区の取組を考えていきたいと思います。

臨時会で何が起きたのか ~議会運営の難しさを考えた一日~

5月28日に江戸川区議会の臨時会が開催されました。

この日の議会は、本会議の途中で議事進行がかかり中断。その後、各委員会の委員長・副委員長選挙なども行われた結果、最終的には22時近くまで続き、会期も週明けの6月1日まで延長される、こととなりました。

「何があったのですか?」というお問い合わせもいただいておりますので、私が経験した範囲でお伝えしたいと思います。

今回、私は維新会派を代表して、議員選出監査委員の人事同意議案に対して反対討論を行いました。

反対討論の原稿は以下の通りです。

同意第二号「江戸川区監査委員の選任同意について」、日本維新の会を代表して、反対の立場から討論を行います。
まず申し上げますが、今回の反対は、候補者個人の人格や経歴を否定するものではありません。あくまで、現在の監査体制に対する当会派の問題意識に基づくものであります。
監査委員は、区政運営における重要なチェック機関であり、区民の税金の使われ方を監視し、行政運営の適正性や透明性を確保する極めて重要な役割を担っています。だからこそ、監査機能には高い独立性と実効性が求められるものと考えます。
なお、当会派はこれまで同様の同意議案に賛成してまいりました。しかし、この3年間、議員として活動する中で、本区における監査機能や内部統制の課題について認識を深めるに至りました。とりわけ、不適切な分割発注問題などを通じ、現在の監査体制については、改めて慎重に考える必要があると判断したものであります。
近年、本区では、1500件を超える不適切な分割発注が長期間にわたり行われていたことが明らかとなりました。
私どもは、このような事態を踏まえたとき、現在の監査体制が、区民の期待するチェック機能を十分に果たしていたと評価できるのかについて、重大な疑問を持っています。
さらに、本区では本年度より包括外部監査制度も導入されました。監査の専門性や独立性の強化が求められる中、本区の監査体制そのものが、今まさに大きな転換点を迎えていると認識しております。
そのような状況の中で、当会派は、従来どおり議員選出監査委員の選任に同意することについては、慎重であるべきと判断いたしました。
なお、議員選出監査委員制度そのものについては、地方自治法改正により必置ではなくなっていることも踏まえ、今後、本区として改めて検証や議論を行っていく必要があると考えております。
よって、同意第二号「江戸川区監査委員の選任同意について」には賛成できないことを申し述べ、反対討論といたします。

反対した理由は、候補者個人への評価ではありません。

現在、江戸川区では包括外部監査制度が導入されています。そうした状況の中で、議員選出監査委員のあり方については改めて議論が必要ではないか、という問題提起を行うためです。

もちろん、人事同意案件である以上、「その人に反対している」と受け取られる可能性があることは理解していました。そのため討論では、候補者個人ではなく制度に対する考え方であることを丁寧に説明したつもりです。

一方で、今回の出来事を通じて、私自身も多くのことを考えさせられました。

議会には、本会議だけでなく、その前段階として会派間の調整を行う理事会があります。江戸川区において維新は少数会派のため理事会に出席することができませんが、多くの案件は理事会で事前調整が行われています。

今回、他会派からは「理事会で反対の意思表示がなかったにもかかわらず、本会議で反対するのは議会運営上問題ではないか」という意見が出ていたと聞いています。

私自身、当初は「本会議で反対の意思を示すことは当然認められるべきだ」と考えていました。

しかし、その後さまざまな意見を伺う中で、理事会を重視する立場からは「本会議は突然意見を表明する場ではなく、事前に調整された内容を確認する場でもある」という考え方があることも改めて認識することになりました。

必ずしもその考え方の全てに賛同するわけではありませんが、議会運営には表から見える部分だけでなく、長年積み重ねられてきた慣例や信頼関係があることを改めて感じました。

また、私は少数会派に所属しているため、理事会に出席することができません。そのため、少数会派の意思表明のあり方や、議会運営への関わり方については、今後も考えていくべき課題だと感じています。

本会議は途中で中断となり、その後、議会運営委員会の開催や、各常任委員会・特別委員会における委員長、副委員長の選挙が行われました。当初予定されていた進行から大きく変更されたこともあり、会議は長時間に及ぶこととなりました。

最終的に、議員選出監査委員の人事同意議案は賛成多数で可決されました。仮に複数の会派が反対していたとしても、結果自体は変わらなかったと思います。

しかし、その過程で起きた一連の出来事は、人事同意案件そのもの以上に、議会運営のあり方や少数会派の位置付けについて考えさせられるものでした。

区民の皆さまには見えにくい部分ではありますが、こうした議会の仕組みについても、今後できる限り分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

議会で提案した「5歳児健診」が江戸川区でスタートしています

令和8年度から、江戸川区で新たに「5歳児健診」がスタートしました。

この5歳児健診については、私自身、令和6年第3回定例会の一般質問でその必要性を訴え、江戸川区でも実施するよう提案してきた施策の一つです。

議会で取り上げた課題が、その後、庁内での検討を経て実際の制度として動き始めたことを、大変うれしく思っています。

なぜ「5歳児健診」が必要なのか

江戸川区ではこれまでも、1歳6か月児健診、3歳児健診などを通じて、子どもの成長や発達を確認し、必要な支援につなげてきました。

しかし、3歳児健診の後は、小学校入学前に行われる就学時健康診断まで、すべての子どもを対象として発達などを確認する機会に「空白」がありました。

一方、5歳頃は、保育園や幼稚園などでの集団生活を通して、コミュニケーションや社会性、ことば、行動など、3歳頃には分かりにくかった子どもの特性が見えてくる時期でもあります。

小学校に入学してから「学校生活になじめない」「集団生活で困りごとが出てきた」と気づくのではなく、就学前の段階で子どもの特性や困りごとに気づき、必要な支援につなげることができれば、子ども本人にとっても、保護者にとっても大きな助けになります。

また、健診をきっかけに、子どもの発達だけでなく、子育てに悩んでいる保護者や、支援を必要としている家庭を相談機関につなげることもできます。

こうした問題意識から、令和6年9月の江戸川区議会第3回定例会で、私は5歳児健診について一般質問を行いました。

「義務化を待たず、江戸川区でも実施を」

当時、国では5歳児健診を全国に広げるため、自治体に対する財政的・技術的な支援が始まっていました。

そこで私は一般質問で、

「発達の課題を早期発見するために、国の補助を活用し、義務化を待つことなく、本区においても5歳児健診を実施すべき」

と提案しました。

これに対して区長からは、

「発達課題のある子を早期発見し、早期支援につなぐ5歳児健診は一定の有用性がある」

との答弁がありました。

一方で、当時の保健所長からは、国が推奨する集団健診を行うためには、発達障害の診察ができる医師の確保などの課題があり、「引き続き検討が必要」との答弁でした。

つまり、この時点では必要性については区も認識していたものの、まだ実施には至っていませんでした。

その後検討が進み、令和8年度から実現へ

その後、区の中で検討が進み、令和7年には5歳児健診を進めていく方針が示されました。

そして令和8年度、ついに江戸川区でも5歳児健診がスタートしました。

今回始まった江戸川区の5歳児健診は、単に病院などで健康診断を1回増やすというものではありません。

区内の幼稚園・保育園等に通う子どもについては、保護者へのアンケートや園での定期健診に加え、心理士などの専門職が園を訪問し、集団生活の中での子どもの様子を確認します。

また、認可外保育施設やインターナショナルスクール、区外の園に通っている子ども、未就園の子どもなどについても「5歳児相談会」が用意されています。

子どもの特性や発達上の課題をできるだけ早く把握し、必要に応じて相談や支援につなげていく仕組みです。

私が特に評価したい「部局をまたいだ連携」

今回の5歳児健診で、私が特に評価していることがあります。

それは、行政のさまざまな部署が連携して取り組んでいることです。

行政はしばしば「縦割り」と批判されます。

しかし、子どもの成長や発達を考えれば、「健康」「保育」「福祉」「教育」を切り離して考えることはできません。

今回の5歳児健診は、健康部門、子ども・保育部門、福祉部門、そして教育委員会などが、それぞれの専門性を持ち寄りながら取り組む事業です。

健診で課題を見つけることだけが目的ではありません。

大切なのは、そこで気づいた子どもの特性や家庭の困りごとを、必要な相談や療育、園での支援、そしてその先の小学校生活へとつなげていくことです。

「健診をする」こと以上に、就学前から就学後まで切れ目なく子どもを支えていく仕組みが作られたことに、大きな意味があると考えています。

議会での提案を、実際の制度へ

議員の仕事は、議会で質問をして終わりではありません。

区民の皆さんからいただいた声や、自分自身が感じた課題を調べ、議会で取り上げ、行政に問題提起をする。そして、その後どのように検討され、実際の制度や区民サービスにつながっていったのかまで見届けていく。

私は、そこまでが議員の仕事だと考えています。

令和6年に一般質問で提案した5歳児健診が、その後の検討を経て、令和8年度から江戸川区の事業として実際にスタートしたことは、私にとってもうれしい成果の一つです。

もちろん、制度は「始めること」がゴールではありません。

どれくらいの子どもたちが健診・相談を受け、必要な支援につながったのか。

保護者にとって分かりやすく、利用しやすい制度になっているのか。

そして、就学前に把握した子どもの特性や必要な支援が、小学校入学後の支援へきちんとつながっているのか。

これからは、実施状況や効果についてもしっかり確認していきたいと思います。

提案して終わりではなく、実現した施策が本当に区民のために機能しているのかまでチェックする。

これからも、現場の声を聞きながら、必要な政策を一つひとつ具体的な形につなげていきます。

AIと自治体のこれから

〜「効率化」ではなく「行政のあり方」を問う学び〜

東京維新の会で開催された、自治体におけるAI・DX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマにした勉強会に参加しました。
技術的な話にとどまらず、「行政はこれからどう変わるべきか」「私たちは何を大切にすべきか」を考えさせられる、非常に示唆の多い内容でした。


■ DXやAIは単なる“便利な道具”ではない

よく「AIで業務を効率化する」と言われますが、今回の話を聞いて強く感じたのは、
DXやAIは単なる効率化の道具ではないということです。

むしろ問われているのは、

  • 行政がどんな価値を提供したいのか
  • そのために、仕事のやり方をどう変えるのか
  • どこまでを人が担い、どこを技術に任せるのか

といった、「行政のあり方」そのものです。


■ デジタル化が進んでいるからこそ見えてくる「次の壁」

江戸川区は、全国的に見てもDXが比較的進んでいる自治体だと思います。
その一方で、今回の講義を通じて感じたのは、次の壁が見え始めているということです。

・業務は効率化されたが、その先はどうするのか
・データはあるが、十分に活かしきれているか
・AIを「使える環境」は整ってきたが、「使いこなす文化」は育っているか

こうした問いが浮かび上がってきました。


■ AI活用の本質は「判断の質」を高めること

印象的だったのは、
AIは人の仕事を奪うものではなく、人の判断を支えるものだという点です。

例えば、

  • 大量の情報を整理し、見える化する
  • 傾向や変化を捉え、気づきを与える
  • 職員が本来向き合うべき「人」や「課題」に時間を使えるようにする

こうした役割をAIが担うことで、行政の質そのものが高まっていく、という視点でした。


■ 「できない理由」より「どうすればできるか」

印象に残ったのは、
民間では当たり前に行われているABテストやデータ分析が、行政ではなかなか進まないという話です。

その背景には、

  • 失敗が許されにくい文化
  • 公平性への過度な配慮
  • 前例を重んじる組織体質

といった要因があります。

しかし、本当に大切なのは「失敗しないこと」ではなく、
小さく試し、学びながら改善していくことなのではないかと感じました。


■ データは“開いてこそ”意味を持つ

ロンドン市の事例や、コロナ禍での日本のデータ公開の話も印象的でした。
データを閉じたままでは価値は生まれません。

市民、企業、研究者がデータを使い、考え、行動する。
行政はそのための「土台」を整える役割を担う。

これは、これからの自治体にとってとても重要な視点だと思います。


■ 江戸川区として、これから

今回の学びを通じて感じたのは、
江戸川区はすでに多くの土台を持っているということです。

だからこそ、

  • 次の一歩をどう踏み出すか
  • どんな文化を育てていくのか
  • どこまで挑戦する覚悟を持つのか

が問われていると感じました。

AIやDXは目的ではなく、あくまで手段。
大切なのは「人」と「組織」、そして「未来への意思」だと思います。


今後も学びを重ねながら、
江戸川区がより良い行政サービスを提供できるよう、考え、行動していきたいと思います。

学校の渡り廊下、実は問題だらけ?住民監査請求の結果を分かりやすく解説!

こんにちは、江戸川区議会議員の林あきこです。

今回は、区立平井東小学校で行われた渡り廊下工事を巡る問題で、私たちの税金がどう使われ、責任は誰にあるのか、住民監査請求が行われました。5月2日にその結果が出ましたので、その内容を分かりやすくお伝えします。

元のPDFはこちらから見ることができます→令和7年3月6日に請求のあった住民監査請求に係る監査結果

この問題、契約の仕方と建物の安全性の二つに大きな問題があったということが、住民監査請求でも明らかになっています。

どんな工事だったの?何が問題だったの?

問題となった工事は、平井東小学校の既存校舎と「すくすくスクール」(学童クラブ)の間を行き来するための渡り廊下を新しく作る工事でした。工事の総額は1557万6000円でした。

しかし、この工事には、主に以下の問題が指摘されています。

  1. 違法な契約の分割発注
    • 本来、130万円を超えるような公共工事は、多くの業者が公平に参加できる「競争入札」という手続きで業者を選ぶのがルールです。
    • ですが、今回の渡り廊下工事は、なぜか1件あたり129万8000円という金額で12件に分割され、同じ業者に「随意契約」という形で発注されていました。
    • これは、競争入札を避けるために意図的に行われた、法律に違反するやり方だと監査委員も指摘しています。
    • 実は、このように競争入札を避けるための分割発注が、この5年間で1123件も行われていたことが明らかになっています。
  2. 建築基準法違反による安全性の欠如
    • 屋根のある渡り廊下のような建物を作る場合、建物の安全基準を満たしていることを区の担当部署(建築指導課)に知らせる「計画通知」という手続きが必要です。
    • しかし、この手続きが行われていませんでした。
    • さらに、後から渡り廊下を壊して調べたところ、基礎の深さが足りなかったり、アンカーボルトの形や取り付け方、鉄骨の接合部分の厚さが基準を満たしていなかったりなど、建築基準法上の安全基準を満たさない点が複数見つかりました。
       ※安全基準については、すでに文教委員会で同僚議員によって指摘されております。

安全ではなかった渡り廊下はどうなったの?

安全性の問題が判明したため、子どもたちの安全を最優先に考え、渡り廊下の屋根と柱の部分は撤去されました。この撤去工事には、約86万円の費用がかかっています。なお、この費用についてはいったん区から支払われており、今後の扱い(不適切な工事を行った業者に支払わせるのかどうか)については検討中であると聞いています。

住民監査請求って?誰の責任が問われたの?

この一連の問題に対し、ある区民の方が「税金が違法・不当に使われ、区に損害が生じた。関係者に損害賠償を請求すべきだ!」として、区長に対し以下の人々への措置(損害賠償請求など)を求める「住民監査請求」を行いました。

  • 江戸川区長
  • 令和5年度の教育長
  • 令和5年度の総務部長
  • 令和5年度の学校施設課長
  • 工事を請け負った業者(受託事業者)

損害としては、工事費用の1557万6000円と撤去工事にかかった費用などが挙げられました。

監査の結果はどうなったの?

監査委員は、この住民監査請求を受けて調査を行い、それぞれの人に対する請求について以下のように判断しました。

  • 江戸川区長:請求は「棄却」
    • なぜか? 区長は、区の財務に関する権限の一部を特定の職員に任せています(権限の委任)。今回は、1件130万円未満の契約権限は学校施設課長に、それ以上の契約権限は総務部長などに委任されており、区長はこの分割発注の決定プロセスに直接関わっていませんでした。
    • 区長が賠償責任を負うのは、部下の違法行為を知っていた、または知ることができたのに阻止しなかった場合(指揮監督義務違反)に限られます。今回の分割発注や安全性の問題について、区長が事前に知っていた、あるいは知ることができたという状況は認められないと判断されました。
    • また、現時点で区長が関係者への損害賠償請求などを「怠っている」とまでは言えない、と判断されました。
  • 令和5年度教育長、令和5年度総務部長:請求は「却下」
    • なぜか? 住民監査請求の対象となるのは、問題となった財務会計行為を行う権限を持つ者、またはその権限を委任された職員とされています。
    • 教育長は、法律上、今回の契約事務を行う立場にありません。
    • 総務部長は一定額以上の契約権限を委任されていますが、1件130万円未満の工事については、所管課長(学校施設課長)に直接権限が委任されており、総務部長はこの個別の分割契約に関与する権限はありませんでした。
    • したがって、今回の問題について、教育長や総務部長は住民監査請求の対象となる「職員」には該当しないと判断されました。
  • 令和5年度学校施設課長:監査委員の「結論が出ず(合議不調)」
    • この元課長は、1件130万円未満の契約権限を持っており、今回の分割された契約の担当者でした。
    • 監査委員は、分割発注が違法である可能性は高いと認めつつも、それ自体が直接損害(契約金額全額など)につながるとは言い切れない、と判断しました。
    • 問題となったのは、安全性の欠如に対する責任です。元課長が建築基準法の手続きをしなかったことや、業者への指示・監督について、賠償責任(重過失が必要)が問えるかどうかが議論されました。
    • 監査委員の間で、元課長に「重過失」があったかどうかについて意見が分かれ、結論を出すに至りませんでした。
  • 本件受注業者(工事を請け負った業者):請求は「一部認容」
    • なぜか? 業者は建築のプロとして、請け負った建物が建築基準法などの安全基準を満たす義務がありました。
    • 安全基準を満たしていなかったことは、契約の内容に適合しない「契約不適合(瑕疵)」にあたります。
    • 監査委員は、安全基準違反は、専門業者としての「重過失」に基づくものだと考えられると判断しました。
    • 契約の条項には、業者の重過失による契約不適合の場合、建物の引き渡しから1年以上経っていても責任を問えることが定められています。
    • これらの理由から、監査委員は区に対し、「撤去せざるを得なくなった屋根と柱を作るのにかかった費用相当額(ただし、撤去した部材に価値があればその分は引く)」と、「撤去にかかった費用」について、業者に損害を補填するよう求める措置を講じることを勧告しました。

監査委員からの意見と今後の期待

今回の件を受けて、監査委員は区に対し厳しい意見を述べています。

  • 本来必要な契約手続きが、担当部署の誤った認識のまま行われていたことが明らかになった。
  • 子どもたちの安全のためには、法令遵守はもちろん、工事契約に必要な手続きをしっかり行い、工事完了後の検査も確実に行うべき。
  • 請け負った業者も、プロとして建物の強度や安全基準を満たすのは当然の責務。
  • 今回の問題を機に、区全体の事務事業を徹底的に見直し、再発防止策を講じること(全庁的な調査、第三者委員会設置など区は対応を進めている)。
     ※第4回定例会の一般質問でも、指摘をしています。
  • 職場のマニュアル見直しや職員が確認すべきポイントを明確化し、さらに「内部統制制度」の本格的な導入を進めるべき。

このように、今回の監査結果では、区長や元教育長、元総務部長の法的な賠償責任は認められませんでしたが、工事のずさんな実態や安全性の問題が改めて浮き彫りになりました。

監査委員は、安全性の欠如に対する責任の一部は工事を請け負った業者にあるとし、区に対して業者への損害賠償請求を勧告しました。

江戸川区には、この結果を重く受け止め、勧告に従って業者への賠償請求を進めるとともに、監査委員の意見を踏まえ、二度とこうした問題が起きないよう、職員の意識改革と組織全体の業務プロセスを根本から改善していくことが強く求められています。

今後の区の動きはどうなっていくの?

今回の住民監査請求の結論では、
「分割発注そのものは違法であったが、直ちに区に損害を生じさせたものではない」
という判断になっており、いわば“注意勧告レベル”の判断にとどまっています。
そのため、区として「義務」としてやらなければならない措置(例:損害賠償、契約取消、懲戒処分など)は明示されていません。
監査委員の「意見」はありますが、法的拘束力はありません。
よって、区が本気で反省・改善をしようとしなければ、“なかったこと”として処理されかねない状況です。
したがって、議会や区民がしっかりと監視し、定期的に再発防止策の実施状況を確認する姿勢を見せることが不可欠です。

私個人としても、会派としても、引き続き文教委員会や本会議で継続的に問い続けることが重要と考えております。区民の皆さまも、引き続きご注目いただきますようお願いいたします。

令和7年第1回定例会 一般質問で分割発注の問題と、幼保小連携について質問しました。

江戸川区議会 令和7年度第1回定例会で一般質問をさせていただきました。

質問全文と、執行部からの答弁を掲載します。

通告に従い、質問させていただきます。

 昨日の本会議でも他会派議員から質問がございましたが、平井東小学校を発端とした不適切な事務については区民の皆様の信頼を大きく損なうものであり、深く憂慮しております。区民からの信頼を取り戻すためにも、これから行う質問については、区長の明確なご答弁を伺いたいと思います。

 今回の不適切事案では、随意契約の制限を免れるため、工事を分割して発注する事例が多数確認されました。1月30日の記者会見では、請負工事の不適切な分割発注が1,123件報告されたほかに、年間単位工事契約が464件、物品購入の分割発注が55件あったことが明らかにされています。

 本来、一体的に発注すべき工事を分割したことにより、競争原理が働かず、結果的にコストが高くなった可能性があることを、当会派は強く懸念しております。もし入札を行っていれば、より安価に工事を発注できた可能性が非常に高いのではないでしょうか。

 地方自治法施行令第167条には、請負契約において、130万円を超える契約については、随意契約が認められるのは「緊急の必要により競争入札に付することができないとき。」といったやむを得ない場合に限られると定められています。このため、地方自治法施行令に定められている条件以外での安易な随意契約は、税金の無駄遣いにつながることを強く認識すべきです。

 繰り返しになりますが、地方自治法では競争入札が原則であり、随意契約は例外とされており、随意契約を多用することは、法の趣旨に反する可能性があります。

 今回の分割発注は、随意契約の制限を回避する目的で行われたと見られますが、当時、担当部局であった学校施設課、契約を担っていた用地経理課、そして支払いを執行していた会計課では、この行為が地方自治法に違反する可能性があるとの認識があったのでしょうか。会見では、誤った認識であったと言及されていましたが「子どもたちのため」「区民のため」という大義名分の下で法令順守を軽視してしまった姿勢は、容認することができません。法令遵守の意識欠如こそが、今回の事案の根本的な原因であると考えます。

 今回の事案を受け、区は第三者検証委員会を設置し、再発防止策を検討するとしています。先の総務委員会において議案審査が行われ、先ほど可決されました。当会派も第三者検証委員会の設置には賛成の立場であり、委員会の中で問題の検証がしっかりと行われ、再発防止策が検討されることを期待しております。

 しかしながら、第三者検証委員会の結果はもちろん尊重しなければならないですが、区自身が主体的に再発防止に取り組む姿勢も必要です。過去5年間で1,123件もの不適切な分割発注があったということは、年間平均224件の入札案件が日常的に発生していたことを意味します。つまり、事案発覚から現在、そして第三者検証委員会による調査期間中も、入札が必要となる案件は引き続き発生します。したがって、第三者検証委員会による再発防止策が策定されるまでの間も、不適切な事務を防ぐために区として早急な対策を講じる必要があります。

 契約手続きの透明性向上、職員の研修徹底、内部監査の強化など、第三者検証委員会による再発防止策が決まるまでの間に講じるべき具体的な対策について、区はどのように考えているのでしょうか。

 そこで、区長に3点お伺いいたします。

  1. 随意契約は緊急の場合など、やむを得ない場合に限って認められるべきであり、安易な随意契約は税金の無駄遣いにつながることを強く認識すべきと当会派は懸念しています。適正に入札を行っていれば、より安価に工事を発注できていたのではないかと考えますが、区長のご見解をお聞かせください。
  2. 今回の行為について、地方自治法に違反する可能性があるとの認識が当時あったのか、またそのご見解についてお答えください。
  3. 第三者検証委員会の発足はこれからであり、全容解明までには時間がかかりますが、区として具体的にどのような再発防止策を講じるのか、現時点で考えている具体的な対策についてお聞かせください。委員会の報告を待つことなく、区として厳正に対処すべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。

 続いて、幼保小連携の推進について質問いたします。

 現在、江戸川区では幼稚園・保育園・こども園・小学校がそれぞれ独自に幼保小連携に取り組んでいます。しかし、区として一貫した方針や具体的な施策はなく、施設や学校ごとの対応に委ねられているのが現状です。このような状況では、連携の質にばらつきが生じ、進学先の学校によって子どもたちが受けられる支援に差が出てしまいます。全ての子どもが等しく恩恵を受けられる環境を整備することは、教育行政の重要な責務ではないでしょうか。

 実際に、保育現場の先生方からは、近隣の小学校に連携の打診をしても、ある学校は積極的に受け入れてくれる一方で、別の学校ではなかなか連携の機会が得られないといった声を伺います。こうした連携体制の違いが、児童の小学校生活への適応に影響を及ぼす可能性があります。適応に差が出ることで、「小一プロブレム」と呼ばれる問題にもつながりかねません。

 「小一プロブレム」は、環境や学習スタイル、先生との関係性の変化などを要因として、小学校低学年の不登校にもつながる深刻な問題です。文部科学省の報告によれば、幼保小連携を強化することで、子どもたちのスムーズな移行が促進され、「小一プロブレム」の軽減や不登校の予防につながる可能性が示唆されています。

 他自治体では、この課題を見据えた取り組みが進んでいます。例えば、横浜市では「幼保小連携推進地区事業」を実施し、幼稚園・保育園・小学校が協働で研究を進めています。金沢地区では、「幼保小交流活動事業」を通じて、子どもたちが自信を持って小学校生活をスタートできるよう取り組み、良好な成果を上げています。江戸川区もこうした先進事例を積極的に参考にすべきではないでしょうか。

 さらに、地域の関与も欠かせません。横浜市では「区幼保小教育交流事業」を通じて、教職員だけでなく、保護者や地域住民も交えた交流活動を実施しています。地域全体で子どもたちの成長を支えることで、子どもたちは安心感を持ち、円滑に小学校へ移行できます。江戸川区でも、地域ぐるみで子どもを支える仕組みを構築すべきではないでしょうか。

 そこで教育長にお伺いします。

1.教育委員会として、幼保小連携の方針を定め、体系的に推進するお考えはあるのでしょうか?

2.先進事例である横浜市の取り組みを参考にするお考えはあるでしょうか?

3.地域と連携し、子どもたちのスムーズな移行を支える仕組みを構築する考えはあるのでしょうか?

 以上、江戸川区の未来を担う子どもたちのために、誰一人取り残さない教育環境の実現に向けた、確固たる方針と取り組みを強く求め、私の一回目の質問を終わります。

以下、答弁を記載しますが、急いでメモを取った内容なので誤りがある可能性もあります。
質問した議員のもとには書き起こし原稿が来る予定ですので、手元に原稿が届き次第修正します。

区長からの答弁(メモ)

  • 地方自治法違反について
    • 違反する可能性があると考えている
    • 法令順守の違反は、今回の問題の抜本的な原因であると考えている
  • 現在の防止策について
    • 契約を止めることはできないので、法令を順守するように努める
    • 例えば施工例に規定されている緊急随契、分割発注は許容できる基準を定める
    • ダブルチェック体制をとる

教育長からの答弁(メモ)

  • 連携強化について
    • 現在は学校ごとの状況にあわせて様々な方法で実施をしている
    • 学校生活の中での支援の必要性に気づくこともある
    • 今年度は支援センター平井、篠崎、葛西の支援センターが地域の各学校に出向いた
    • 連絡会を行い、支援の必要性が高い子が入学した際は組織的な支援体制を取れるようにする
  • 横浜の取組については、
    • 幼保小の架け橋プログラムのモデル地区として認識している
    • 横浜に限らず、連携接続の形を模索する
  • 地域の繋がりについて
    • 関係機関をはじめとした連携をとることは子どもたち
    • 代表校長、関係部署、幼稚園、協議会との連携を考えていく
    • 評議委員会でも協議事項にする予定

総務部長からの答弁(メモ)

  • 平井東小学校の渡り廊下工事については適切な価格であったと考えている
  • ただし、平井東小学校も含めて全容は引き続き検証が必要であるため、第三者委員会において検証していく

第二質問は行わず、答弁を受けて以下のように意見を述べさせていただきました。

 区長、教育長、部長、ご答弁ありがとうございました。
 ここからは当会派の意見を申し述べたいと思います。
 文教委員会において、他会派の同僚委員によって質疑が行われましたが、地方自治法施行令によって随意契約が可能な金額の範囲については、見直しが必要であると考えています。
例えば、今回特に大きな問題となっています、「契約金額130万円未満の軽易な請負工事として主管課契約で行うことができる工事」の130万円という法的根拠ですが、これは地方自治法施行令によって昭和57年(1982年)に定められました。
 しかし、それから40年以上が経過し、物価水準は変わってきています。
 例えば、1982年の消費者物価指数と現在の消費者物価指数を比較すると、物価はおおよそ1.4倍になっています。これを考慮すると、当時の130万円は現在の182万円程度に相当すると考えられます。したがって、現状の130万円基準は実際の経済状況と乖離しており、基準の引き上げが妥当であると言えるでしょう。

 改めて申し上げますが、当会派では、この5年間の不適切案件によって区民の皆様からお預かりした大事な税金を無駄使いする結果になってしまった可能性が非常に高く、ここでしっかりと襟を正していただく必要がある案件であると明確に申し上げます。しかしながら原因究明を進めていく中で、一自治体の力ではどうしようもできなかった要素があったのであれば、それはしっかりと正してもらえるようしかるべき働きかけをすべきですし、批判するだけでなく是々非々で議論を行っていく必要があるのだろうと考えています。

 また、幼保小連携についてですが、幼保小連携を進めるうえで、保育士や教員の負担増が懸念されます。ある保育士さんから「しっかりと連携を取りたいが、小学校の先生方もお忙しいと報道などで見聞きするし、お願いしづらい」という声でした。単に連携を推進するだけでは、現場の負担が増し、結果として取り組みが形骸化してしまう恐れがあります。

 区としても、現場の声を丁寧に拾い上げ、負担軽減と連携強化の両立を図るための施策を積極的に検討・実施していただきたいと考えて欲しいと思います。以上です。

第二質問を0秒ピッタリで終わらせることができました。(別に0秒ピッタリにすることが美学という訳でもないのですが……)

 珍しいことらしいのですが、第二質問が終わったタイミングで他会派の議員さんから拍手をいただきました。会派が違うと考え方も異なってきますが、区民の利益という同じ方向を向いて仕事をしているので、こうやって拍手という形で応援していただけたのは大変嬉しく思います。
本会議終了後も複数の他会派議員からお褒めの言葉や、現在の国会での検討状況などを共有していただきました。

 今回の不適切な事務については、今年度中に第三者検証委員会を発足させて1回目の委員会を実施したいと総務委員会でやり取りがありました。9月頃には報告書をまとめる方針で、委員会はオープンな形で実施していく予定ということです。
 今のところ、不適切な事務が明らかになっているのは文書の保存期限である過去5年分ですが、おそらくその前から長年続いてきたのだろうと考えています。ここでしっかりと襟を正していただく必要がありますし、議会としても監視機能を強めていかなければなりません。第三者検証委員会をはじめとして今後の動きに注視してまいります。

〈文教委員会報告〉江戸川区で行われた不適切な分割発注について

本日、文教委員会が開催され、江戸川区における不適切な分割発注の問題について報告がありました。

各メディアで報道もされています。

地方自治法において、地方公共団体の工事に係る請負契約は、機会の均等、公正性確保等のため一般競争入札によることが原則とされており、指名競争入札や随意契約によることができるのは、地方自治法施行令で定める要件を満たす場合に限られています。請負契約を随意契約とすることができるのは、予定金額が130 万円未満の場合であり、江戸川区で行われた分割発注は「脱法行為」である可能性があります。

当会派では、この案件の重大性を踏まえ、徹底した精査が必要であると考えており、本日の文教委員会で詳しく質問を行いました。

分割発注に関する新たな事実

他の委員の質疑を通じて、以下の点が明らかになりました。

  • 関わった工事業者についての公表について、全庁調査では109社が関与していることが判明しているが、業者名の公表については全容が解明されてから考えていきたい。
  • 調査メンバーには用地経理課長が含まれていますが、同氏は過去に学校施設課長を務めており、当事者である可能性がある。そのため、調査を担当するのは適切ではない。
  • 他の委員が情報開示請求で図面を取り寄せたところ、「施工図」が出てきた。「設計図」でも「竣工図」でもない。
  • 情報開示請求によって明らかになったが、平井東小学校で渡り廊下の工事を行ったのは、学校改築工事でも関わっている区内業者のグループ会社である。

調査の問題点と区民への影響

調査結果が公表されたものの、以下の重要な観点が欠落しています。

  • 何が最も問題なのか明確ではない。
  • 区民に経済的被害が発生しているかどうか不透明。
  • 余分な支出があったのか、割高な契約となっていないかの視点が不足。

さらに、建築物の安全性に関しても疑問が残ります。

  • 指摘のあった建築物について、区の専門職が現地確認を実施。しかし、提供された資料は極めて少なく、十分な調査が行えない状況。
  • 子どもたちの安全を考慮し、一部の施設の使用を見合わせる判断がなされました。
  • 教育委員会には、安全確認の義務があり、必要であれば使用を差し止めるべきとの意見もありました。

情報開示の問題

  • 分割発注に関与した業者名について、公表を求める声があるものの、区側は全容解明後に判断するとしています。
  • しかし、平井東小学校の渡り廊下工事では図面すら提出されておらず、DIYレベルの施工が行われていたことが判明しました。
  • 義務違反を犯した業者を公表しない理由が不明確であり、透明性が欠如しています。

教育委員会の責任

1月30日の臨時記者会見において、区長、副区長、教育長の給与減額が発表されましたが、維新会派は以下の点に疑問を抱いています。

  • 教育委員会では過去5年間に1030件の不適切な分割発注が行われており、全体の91.7%を占めています。
  • それにもかかわらず、教育長の処分が区長より軽いのは妥当なのか。
  • 第三者委員会による調査が行われていない現時点での処分決定は適切なのか。
  • 3か月間の給与減額(区長10%・教育長と副区長5%)が適正かどうか判断できる材料が不足している。

当会派は、教育委員会事務局における分割発注問題を法令違反の可能性だけでなく、税金の無駄遣いという深刻な問題として捉え、議会での検証を進める必要があると考えています。

追加の情報開示要求

1月30日の会見では、過去5年間の調査結果として以下のデータが示されました。

  • 教育委員会の請負工事件数:6193件
  • そのうち、不適切な分割発注:1030件

今後の検証のために、当会派はこの1030件すべての工事名や契約先、分割数などを含めた一覧の開示を求めました。

しかし、区側は「法令違反を明確に特定できるものがあるか不明」との理由で、資料提供に消極的な姿勢を示しており、開示が出来るかどうかについての検討は持ち帰りとなり、結果は後日知らされることになりました。

当会派は、区民の税金が適正に使用されているかを確認し、透明性を確保するため、引き続き厳しく検証を進めてまいります。

こども食堂への補助がなくなる?

現在、江戸川区のホームページで「時代に合わせた行政サービスの整理・再構築」について発表がされています。その中に「子ども食堂への補助」という項目が明記され「他のボランティア団体への補助との不均衡や他の子ども支援事業の推進、側面支援の強化といった理由から、子ども食堂への補助を段階的に廃止します。」という方針が示されています。

https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kuseijoho/kohokocho/kohoedogawa/2024/202412/12sp/jidai.html

江戸川区内の子ども食堂の多くが「えどがわっ子食堂ネットワーク」に登録し、令和5年度は約30団体が補助金を受け取っています。補助金額は月額最大4万円、年間48万円です。

先日、この補助金の段階的な廃止について説明会があったということで、区内で食堂を運営されている方からご相談をいただいております。

担当課に確認をしたところ、正式に補助が打ち切られることが決定しているという訳ではないということでしたが、検討段階にあることは確かだということです。

子ども食堂の補助に関しては、令和6年度に「配食」への補助が打ち切られ、補助対象が「会食形式(イートイン)」のみになりました。また、初年度に支援される「設備費」については、今年度限りで東京都の10/10補助が終了し1/2補助に切り替わることを理由として、打ち切りが決定しています。

子ども食堂には他の支援と明確に異なる点が何点かあると考えており、他の支援を充実させたとしても支援が届かない子どもが生まれてしまうのではないかと懸念しています。以下に子ども食堂の利点を挙げていきます。

  • 保護者による申請が無くても、子どもだけで無料、あるいは格安で利用ができる。
    • 保護者が支援を拒否したり、支援が必要なことが分かっていても申請をしない(できない)場合が往々にしてあります。そういった場合でも、子ども食堂は行政に対する申請なしで気軽に利用できる場所がほとんどで、子どもだけで食堂に行って食事をすることが可能です。
  • 区内に多くの拠点があり、多くの子どもたちが利用することができる。
    • 現在、えどがわっ子食堂ネットワークに登録をしている食堂は約60か所あります。(一部、運営を休止しているところもあります。)これだけの拠点があると、1か所で20人の子どもたちに支援を行ったと仮定しても、1000人以上の子どもたちに支援を行うことができています。利用者数については現在担当課に確認をしていますが、毎回数十人の子どもたちが食事に来るという団体さんも複数ありますし、毎日支援を行っている団体さんもあるので、相当な人数のお子さんが支援を受けていると考えられます。
  • 多拠点化することにより、自宅近くで支援を受けることができる。
    • 子どもだけで移動できる距離には限界があります。自宅近くに拠点がなければ、支援を届けることが難しいのです。こども食堂は空白地域を無くすことが重要で、自治体によっては、「すべての学区に子ども食堂を」という方針をあげているところもあります。

また、事業経費については現在詳細を確認中ですが、令和5年度の決算資料を見たところ824万円余でした。半分は東京都の補助金ですので、区の独自財源から支出される金額は約412万円です。財源規模から鑑みてもそれほど大きな金額ではないですし、無駄になっている、見直しが必要な事業とは思えません。

歳入が減っていくから早め早めに対応を打つ、という区の方針も一定理解はできますが、子ども食堂の補助については継続が必要ではないかと考えています。

現在、区ではパブリックコメントを募集しています。→コメントはこちらから

子ども食堂の件だけではなく、皆様のご興味のある内容がありましたら、広くご意見を寄せていただければと思います。また、見直し内容について不明点などがございましたら、お気軽にご連絡ください。