5月28日に江戸川区議会の臨時会が開催されました。
この日の議会は、本会議の途中で議事進行がかかり中断。その後、各委員会の委員長・副委員長選挙なども行われた結果、最終的には22時近くまで続き、会期も週明けの6月1日まで延長される、こととなりました。
「何があったのですか?」というお問い合わせもいただいておりますので、私が経験した範囲でお伝えしたいと思います。
今回、私は維新会派を代表して、議員選出監査委員の人事同意議案に対して反対討論を行いました。
反対討論の原稿は以下の通りです。
同意第二号「江戸川区監査委員の選任同意について」、日本維新の会を代表して、反対の立場から討論を行います。
まず申し上げますが、今回の反対は、候補者個人の人格や経歴を否定するものではありません。あくまで、現在の監査体制に対する当会派の問題意識に基づくものであります。
監査委員は、区政運営における重要なチェック機関であり、区民の税金の使われ方を監視し、行政運営の適正性や透明性を確保する極めて重要な役割を担っています。だからこそ、監査機能には高い独立性と実効性が求められるものと考えます。
なお、当会派はこれまで同様の同意議案に賛成してまいりました。しかし、この3年間、議員として活動する中で、本区における監査機能や内部統制の課題について認識を深めるに至りました。とりわけ、不適切な分割発注問題などを通じ、現在の監査体制については、改めて慎重に考える必要があると判断したものであります。
近年、本区では、1500件を超える不適切な分割発注が長期間にわたり行われていたことが明らかとなりました。
私どもは、このような事態を踏まえたとき、現在の監査体制が、区民の期待するチェック機能を十分に果たしていたと評価できるのかについて、重大な疑問を持っています。
さらに、本区では本年度より包括外部監査制度も導入されました。監査の専門性や独立性の強化が求められる中、本区の監査体制そのものが、今まさに大きな転換点を迎えていると認識しております。
そのような状況の中で、当会派は、従来どおり議員選出監査委員の選任に同意することについては、慎重であるべきと判断いたしました。
なお、議員選出監査委員制度そのものについては、地方自治法改正により必置ではなくなっていることも踏まえ、今後、本区として改めて検証や議論を行っていく必要があると考えております。
よって、同意第二号「江戸川区監査委員の選任同意について」には賛成できないことを申し述べ、反対討論といたします。
反対した理由は、候補者個人への評価ではありません。
現在、江戸川区では包括外部監査制度が導入されています。そうした状況の中で、議員選出監査委員のあり方については改めて議論が必要ではないか、という問題提起を行うためです。
もちろん、人事同意案件である以上、「その人に反対している」と受け取られる可能性があることは理解していました。そのため討論では、候補者個人ではなく制度に対する考え方であることを丁寧に説明したつもりです。
一方で、今回の出来事を通じて、私自身も多くのことを考えさせられました。
議会には、本会議だけでなく、その前段階として会派間の調整を行う理事会があります。江戸川区において維新は少数会派のため理事会に出席することができませんが、多くの案件は理事会で事前調整が行われています。
今回、他会派からは「理事会で反対の意思表示がなかったにもかかわらず、本会議で反対するのは議会運営上問題ではないか」という意見が出ていたと聞いています。
私自身、当初は「本会議で反対の意思を示すことは当然認められるべきだ」と考えていました。
しかし、その後さまざまな意見を伺う中で、理事会を重視する立場からは「本会議は突然意見を表明する場ではなく、事前に調整された内容を確認する場でもある」という考え方があることも改めて認識することになりました。
必ずしもその考え方の全てに賛同するわけではありませんが、議会運営には表から見える部分だけでなく、長年積み重ねられてきた慣例や信頼関係があることを改めて感じました。
また、私は少数会派に所属しているため、理事会に出席することができません。そのため、少数会派の意思表明のあり方や、議会運営への関わり方については、今後も考えていくべき課題だと感じています。
本会議は途中で中断となり、その後、議会運営委員会の開催や、各常任委員会・特別委員会における委員長、副委員長の選挙が行われました。当初予定されていた進行から大きく変更されたこともあり、会議は長時間に及ぶこととなりました。
最終的に、議員選出監査委員の人事同意議案は賛成多数で可決されました。仮に複数の会派が反対していたとしても、結果自体は変わらなかったと思います。
しかし、その過程で起きた一連の出来事は、人事同意案件そのもの以上に、議会運営のあり方や少数会派の位置付けについて考えさせられるものでした。
区民の皆さまには見えにくい部分ではありますが、こうした議会の仕組みについても、今後できる限り分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
