〈文教委員会報告〉江戸川区で行われた不適切な分割発注について

本日、文教委員会が開催され、江戸川区における不適切な分割発注の問題について報告がありました。

各メディアで報道もされています。

地方自治法において、地方公共団体の工事に係る請負契約は、機会の均等、公正性確保等のため一般競争入札によることが原則とされており、指名競争入札や随意契約によることができるのは、地方自治法施行令で定める要件を満たす場合に限られています。請負契約を随意契約とすることができるのは、予定金額が130 万円未満の場合であり、江戸川区で行われた分割発注は「脱法行為」である可能性があります。

当会派では、この案件の重大性を踏まえ、徹底した精査が必要であると考えており、本日の文教委員会で詳しく質問を行いました。

分割発注に関する新たな事実

他の委員の質疑を通じて、以下の点が明らかになりました。

  • 関わった工事業者についての公表について、全庁調査では109社が関与していることが判明しているが、業者名の公表については全容が解明されてから考えていきたい。
  • 調査メンバーには用地経理課長が含まれていますが、同氏は過去に学校施設課長を務めており、当事者である可能性がある。そのため、調査を担当するのは適切ではない。
  • 他の委員が情報開示請求で図面を取り寄せたところ、「施工図」が出てきた。「設計図」でも「竣工図」でもない。
  • 情報開示請求によって明らかになったが、平井東小学校で渡り廊下の工事を行ったのは、学校改築工事でも関わっている区内業者のグループ会社である。

調査の問題点と区民への影響

調査結果が公表されたものの、以下の重要な観点が欠落しています。

  • 何が最も問題なのか明確ではない。
  • 区民に経済的被害が発生しているかどうか不透明。
  • 余分な支出があったのか、割高な契約となっていないかの視点が不足。

さらに、建築物の安全性に関しても疑問が残ります。

  • 指摘のあった建築物について、区の専門職が現地確認を実施。しかし、提供された資料は極めて少なく、十分な調査が行えない状況。
  • 子どもたちの安全を考慮し、一部の施設の使用を見合わせる判断がなされました。
  • 教育委員会には、安全確認の義務があり、必要であれば使用を差し止めるべきとの意見もありました。

情報開示の問題

  • 分割発注に関与した業者名について、公表を求める声があるものの、区側は全容解明後に判断するとしています。
  • しかし、平井東小学校の渡り廊下工事では図面すら提出されておらず、DIYレベルの施工が行われていたことが判明しました。
  • 義務違反を犯した業者を公表しない理由が不明確であり、透明性が欠如しています。

教育委員会の責任

1月30日の臨時記者会見において、区長、副区長、教育長の給与減額が発表されましたが、維新会派は以下の点に疑問を抱いています。

  • 教育委員会では過去5年間に1030件の不適切な分割発注が行われており、全体の91.7%を占めています。
  • それにもかかわらず、教育長の処分が区長より軽いのは妥当なのか。
  • 第三者委員会による調査が行われていない現時点での処分決定は適切なのか。
  • 3か月間の給与減額(区長10%・教育長と副区長5%)が適正かどうか判断できる材料が不足している。

当会派は、教育委員会事務局における分割発注問題を法令違反の可能性だけでなく、税金の無駄遣いという深刻な問題として捉え、議会での検証を進める必要があると考えています。

追加の情報開示要求

1月30日の会見では、過去5年間の調査結果として以下のデータが示されました。

  • 教育委員会の請負工事件数:6193件
  • そのうち、不適切な分割発注:1030件

今後の検証のために、当会派はこの1030件すべての工事名や契約先、分割数などを含めた一覧の開示を求めました。

しかし、区側は「法令違反を明確に特定できるものがあるか不明」との理由で、資料提供に消極的な姿勢を示しており、開示が出来るかどうかについての検討は持ち帰りとなり、結果は後日知らされることになりました。

当会派は、区民の税金が適正に使用されているかを確認し、透明性を確保するため、引き続き厳しく検証を進めてまいります。