〜「効率化」ではなく「行政のあり方」を問う学び〜
東京維新の会で開催された、自治体におけるAI・DX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマにした勉強会に参加しました。
技術的な話にとどまらず、「行政はこれからどう変わるべきか」「私たちは何を大切にすべきか」を考えさせられる、非常に示唆の多い内容でした。

■ DXやAIは単なる“便利な道具”ではない
よく「AIで業務を効率化する」と言われますが、今回の話を聞いて強く感じたのは、
DXやAIは単なる効率化の道具ではないということです。
むしろ問われているのは、
- 行政がどんな価値を提供したいのか
- そのために、仕事のやり方をどう変えるのか
- どこまでを人が担い、どこを技術に任せるのか
といった、「行政のあり方」そのものです。
■ デジタル化が進んでいるからこそ見えてくる「次の壁」
江戸川区は、全国的に見てもDXが比較的進んでいる自治体だと思います。
その一方で、今回の講義を通じて感じたのは、次の壁が見え始めているということです。
・業務は効率化されたが、その先はどうするのか
・データはあるが、十分に活かしきれているか
・AIを「使える環境」は整ってきたが、「使いこなす文化」は育っているか
こうした問いが浮かび上がってきました。
■ AI活用の本質は「判断の質」を高めること
印象的だったのは、
AIは人の仕事を奪うものではなく、人の判断を支えるものだという点です。
例えば、
- 大量の情報を整理し、見える化する
- 傾向や変化を捉え、気づきを与える
- 職員が本来向き合うべき「人」や「課題」に時間を使えるようにする
こうした役割をAIが担うことで、行政の質そのものが高まっていく、という視点でした。
■ 「できない理由」より「どうすればできるか」
印象に残ったのは、
民間では当たり前に行われているABテストやデータ分析が、行政ではなかなか進まないという話です。
その背景には、
- 失敗が許されにくい文化
- 公平性への過度な配慮
- 前例を重んじる組織体質
といった要因があります。
しかし、本当に大切なのは「失敗しないこと」ではなく、
小さく試し、学びながら改善していくことなのではないかと感じました。
■ データは“開いてこそ”意味を持つ
ロンドン市の事例や、コロナ禍での日本のデータ公開の話も印象的でした。
データを閉じたままでは価値は生まれません。
市民、企業、研究者がデータを使い、考え、行動する。
行政はそのための「土台」を整える役割を担う。
これは、これからの自治体にとってとても重要な視点だと思います。
■ 江戸川区として、これから
今回の学びを通じて感じたのは、
江戸川区はすでに多くの土台を持っているということです。
だからこそ、
- 次の一歩をどう踏み出すか
- どんな文化を育てていくのか
- どこまで挑戦する覚悟を持つのか
が問われていると感じました。
AIやDXは目的ではなく、あくまで手段。
大切なのは「人」と「組織」、そして「未来への意思」だと思います。
今後も学びを重ねながら、
江戸川区がより良い行政サービスを提供できるよう、考え、行動していきたいと思います。
