PHPの脆弱性への対応と、ウェブサイトの一時公開停止について

先日、PHPの脆弱性に関する情報を受け、私の公式ウェブサイトを一時的にメンテナンスモードに切り替え、公開を停止しました。

現在は公開を再開していますので、今回の対応についてご報告します。

WordPressとPHPの関係

このウェブサイトは、WordPress(ワードプレス)というシステムを使用して、私自身で制作・管理しています。

WordPressは、専門的なプログラミングの知識がなくてもウェブサイトを構築・更新できる便利な仕組みですが、その内部では「PHP」というプログラミング言語が使われています。

そのため、WordPress本体を最新の状態に保つだけでなく、PHPのセキュリティ対策も重要になります。

今回、PHPの脆弱性に関する情報を受け、念のためウェブサイトを一時的に非公開とし、対応を進めることにしました。

バックアップの取得とシステムの確認

まず取り組んだのは、ウェブサイトのバックアップです。

万が一、システムの更新によって不具合が発生しても、元の状態に戻せるよう、ウェブサイトのファイルとデータベースをそれぞれ保存しました。

そのうえで、WordPress本体やプラグイン、使用しているテーマ、PHPのバージョンなどを確認しました。

調べてみると、PHPは既に公式サポートが終了している古いバージョンを使用していることが判明。

早急に新しいバージョンへ移行する必要があると判断しました。

エックスサーバー側で修正パッチの適用が完了

PHPの更新に向けて作業を進めていたところ、利用しているレンタルサーバー「エックスサーバー」から、今回の脆弱性に対する修正パッチの適用が完了したとの案内がありました。

エックスサーバーによると、PHP 5.6〜8.5について、利用者が設定しているPHPのバージョンを変更することなく、修正パッチの適用を完了したとのことです。

これを受け、今回の脆弱性に対する緊急対応は実施されたと判断し、ウェブサイトの公開を再開しました。

ただし、これはPHPのバージョンそのものが新しくなったということではありません。

現在使用しているPHP 7.4は既に公式サポートが終了しているため、引き続きバージョンアップが必要です。

今後の対応について

今回の対応を通じて、改めてウェブサイトのセキュリティ管理の重要性を実感しました。

ウェブサイトは一度作って終わりではありません。安全に運用し続けるためには、定期的な更新やバックアップ、システムの点検が欠かせません。

今後は、使用しているテーマやプラグインとの互換性を確認しながら、できるだけ速やかにPHPのバージョンアップを実施する予定です。

デジタル技術は、行政サービスの向上や業務効率化にも欠かせないものです。

私自身も、日頃からこうした技術に触れ、実際に使いながら理解を深めていくことを大切にしています。

今回の経験も、今後の活動に生かしていきたいと思います。

令和7年度決算特別委員会が終了

令和7年度の江戸川区決算について、決算特別委員会での審査が終了しました。

決算審査では、区が1年間に使ったお金について、適切に執行されたかだけでなく、事業によってどのような成果が得られたのか、改善できる点はないかという視点から質疑を行います。

今回、私たち「維新と区民の会」は、行財政改革と次世代への投資を大切な柱として、行政運営の効率化、公共施設の管理、子育て・教育施策など、幅広い分野について意見を申し上げました。

また、令和7年度決算については、審査を通じて確認した成果と課題を踏まえ、会派として認定する立場を表明しました。

以下、私が会派を代表して読み上げた総括意見の全文を掲載します。

維新と区民の会を代表いたしまして、令和7年度決算に対する総括意見を申し上げます。
まず、令和7年度の各事業の執行にあたり、区民生活の向上に向けて尽力された区長をはじめ、職員の皆様に感謝を申し上げます。
私たちの会派が区政運営において特に重視しているのは、徹底した行財政改革と、次世代への投資です。

少子高齢化が進み、行政需要が複雑化・多様化する中で、これまでと同じ方法で行政サービスを提供し続けることには限界があります。

一方で、子どもたちの教育や子育て環境の充実など、将来の江戸川区を支えるために、今まさに投資すべき分野も数多くあります。

だからこそ、行政においても経営の視点を持つことが重要であると考えます。

民間企業と行政では、その目的も役割も異なります。行政には、採算性だけでは判断できない、区民の生活や安全を守るという重要な責務があります。

しかし、限られた財源や人員をどこに配分するのか、事業に投じた経費に対してどのような成果が得られているのか、より効果的な手法はないのか。こうした視点は、行政においても不可欠です。

単に歳出を削減するのではなく、必要な事業にはしっかりと予算を投じ、そのために既存事業の見直しや業務の効率化を進める。

そして、行政サービスの効率性を追求する一方で、支援を必要とする方が取り残されることのないよう、区民一人ひとりの生活に目を向けることも大切です。

こうした考え方を基本として、以下、決算書の款の順に意見を申し上げます。

まず、歳入についてです。

令和7年度の区税収納率は99.32%となり、23区で第1位という成果を上げられました。

納税者の公平性を確保するとともに、区の貴重な財源を確実に確保するという点で、日々の徴収事務に携わる職員の皆様の努力に感謝を申し上げます。

また、都区財政調整交付金については、本区の財政を支える重要な財源である一方、その制度に依存するだけでなく、区独自の自主財源を確保していく努力も必要です。

さらに、区債の発行についても申し上げます。

本区がこれまで健全な財政運営に努めてきたことは承知しております。

一方で、長期間にわたって利用される公共施設などについては、現在の世代だけがすべての費用を負担するのではなく、将来世代との負担の公平性という観点もあります。

区債の発行を一律に否定するのではなく、財政規律を維持しながら、将来の区民にとって何が最も合理的な選択なのか、引き続き検討していただきたいと思います。

総務費

いじめや不登校など、学校だけでは対応が難しい問題に対して、弁護士などの専門家が学校を支援する仕組みも重要です。
教職員が安心して教育活動に専念できる環境を整えることは、結果として子どもたちの利益にもつながります。

第2款 経営企画費

次に、経営企画費についてです。

令和7年度は、ノーコードツールの活用によって、約3,500時間の業務削減効果があったとのことでした。

こうした取組は、単に職員の業務負担を軽減するだけでなく、限られた人員を、より専門性が求められる業務や、区民と直接向き合う業務へ振り向けることにもつながります。

行政事務とデジタル技術は非常に親和性が高いと考えておりますので、今後も現場の職員の皆様の知恵を生かしながら、積極的に業務改革を進めていただくことを期待します。

第3款 SDGs推進費

次に、SDGs推進費についてです。

区民世論調査では、高齢者の75%以上が紙媒体から情報を収集しているという結果が示されています。

デジタル化を推進することは重要ですが、その一方で、デジタル機器の利用が難しい方が必要な行政情報を受け取れなくなることがあってはなりません。

情報格差によって行政サービスから取り残される方を生まないためにも、高齢者世帯、特に一人暮らしの高齢者を含め、広報誌が確実に届く仕組みを整えることが必要です。

高齢者世帯への広報誌の全戸配布について、検討をお願いいたします。

第4款 新庁舎・施設整備費

次に、新庁舎・施設整備費についてです。

学校改築事業における入札制度については、区内業者の育成という導入目的に対して、どのような成果が得られているのかを確認しました。

区からは、登録企業の経営事項審査の点数が上昇しているとの答弁がありましたが、これは建築業界全体の傾向とも考えられ、区内業者の育成効果を直接示すものとは言い切れません。

制度導入から15年が経過していることや、入札に参加できる業者が限られている実態も踏まえ、制度の目的と成果を改めて検証する必要があります。

特定の事業者に有利な制度となることのないよう、公平性と競争性を確保し、区全体にとって最も有益な入札制度となるよう見直しを求めます。

第5款 危機管理費

次に、危機管理費についてです。

災害時の情報伝達については、区において複数の伝達手段を組み合わせた情報の多重化が進められています。

しかし、重要なのは情報を発信すること自体ではなく、必要な人に、必要な情報が実際に届くことです。

高齢者や障害のある方、日本語による情報取得が難しい方なども含め、災害時に確実に情報が伝わる仕組みを、引き続き検討していただきたいと思います。

また、地震発生時の電気火災を防ぐ感震ブレーカーについては、その必要性や効果を広く周知し、設置の拡大につなげていただくよう要望します。

さらに、避難所に配備されている船外機付きボートについては、災害時に確実に使用できるよう、操作方法の確認や適切な保管管理を徹底していただきたいと思います。

第6款 総務費

次に、総務費についてです。

学校改築事業をはじめとする公共工事の契約については、競争性、公平性、透明性を確保するとともに、限られた財源で最大限の効果が得られる制度運用が求められます。

入札制度については、当初の目的が現在も達成されているのか、事業者の育成や競争環境にどのような影響を与えているのかを、客観的な指標に基づいて検証していただきたいと思います。

制度は一度導入すれば終わりではなく、社会経済情勢の変化に応じて見直していくことが重要です。

第7款 都市開発費

次に、都市開発費についてです。

西瑞江三丁目のまちづくりについては、長年住み慣れた地域に愛着を持つ方々の思いを十分に尊重することが重要です。

まちづくりを進めるにあたっては、一人でも多くの地域住民の声を丁寧に拾い上げ、引き続き、地域の皆様に寄り添った対応をお願いいたします。

また、建築基準法第12条に基づく公共施設の定期点検については、点検で指摘された事項が、相当数の施設で未是正となっていることが明らかになりました。

点検を実施すること自体が目的ではなく、指摘事項を確実に改善し、施設の安全性を確保することが重要です。

主管課への通知や指導にとどまらず、施設課が中心となって是正状況を継続的に把握し、すべての施設で必要な改善が完了するまで、責任を持った対応を求めます。

第8款 環境費

次に、環境費についてです。

公園におけるキッチンカーの出店料については、平日と休日の利用状況や需要の違いを踏まえ、柔軟な料金設定を検討する余地があると考えます。

また、公園駐輪場についても、利用者の利便性を確保しながら、適切な受益者負担のあり方を検討していただきたいと思います。

公共施設や公共空間を単に維持管理するだけでなく、その価値を最大限に活用し、区民サービスの向上と収入確保を両立するという経営の視点を、今後も大切にしていただきたいと考えます。

また、受動喫煙対策についてです。

受動喫煙を防止するためには、喫煙する方と喫煙しない方の双方の立場に配慮し、実効性のある分煙環境を整備することが重要です。

規制や罰則の強化だけでなく、適切な喫煙場所を確保することも必要であると考えます。

喫煙者と非喫煙者が互いの立場を尊重しながら共存できる環境づくりに向け、公衆喫煙所の増設を要望いたします。

第9款 文化共育費

次に、文化共育費についてです。

総合人生大学については、受益者負担の適正化という観点から、授業料のあり方について質疑を行いました。

生涯学習の機会を提供することは行政の重要な役割の一つですが、事業に要する経費のうち、どこまでを税で負担し、どこからを利用者に負担していただくのかについては、合理的な説明が必要です。

これは総合人生大学に限らず、行政サービス全体に共通する課題であると考えます。

また、共育プラザのeスポーツ事業については、若者の関心が高い分野を活用した交流や学びの機会として、今後の展開に期待しています。

ゲームを楽しむことだけでなく、パソコンの構造やプログラミング、デジタル技術への関心につなげることができれば、将来の学びや進路選択のきっかけにもなります。

子どもや若者の興味を出発点として、新しい可能性を広げる取組を進めていただきたいと思います。

さらに、塩沢荘や文学館などの文化施設については、指定管理料を含めた運営コストと事業成果の検証が必要です。

文化施設には、収支だけでは測れない価値がある一方、際限なく経費を投入できるわけではありません。

各施設において明確な事業計画を策定し、計画に基づく事業の実施と成果の検証を行い、効果的かつ効率的な施設運営を進めていただくことを求めます。

第12款 福祉費

次に、福祉費についてです。

おひとりさま支援については、高齢期になってからの対応だけでなく、ミドル期からの早期支援が重要であると考えます。

中年期の単身者が抱える不安や生活上の課題について実態を把握し、必要な支援につながる専門的な相談体制の整備をお願いいたします。

また、ひきこもり支援については、現在行われている相談や聞き取りから得られる情報を、個人情報の保護に十分配慮しながら整理・分析し、支援の充実につなげていただきたいと思います。

相談に来られた方への事後的な対応だけでなく、課題の早期把握や、必要な支援につなげるための施策の検討にも活用していただくことを期待します。

さらに、災害時に支援が必要な方の個別避難計画については、計画を作成すること自体を目的とするのではなく、当事者が災害時にどのような行動を取るのか、具体的に確認しておくことが重要です。

専門家への委託が難しい場合も含め、平時から十分な準備を進めていただくようお願いいたします。

第13款 子ども家庭費

次に、子ども家庭費についてです。

乳児養育手当については、所得制限の撤廃などの制度改正に伴い、支給対象が拡大されてきました。

一方で、東京都による保育料無償化が進む中、保育施設を利用する家庭と、自宅で子育てをする家庭との支援のあり方についても、改めて考えていく必要があると感じています。

子育て支援は、単に給付額を増やせばよいというものではありません。

保護者の就労状況や家庭の事情によって、子育ての選択肢が不当に制約されることのないよう、制度全体のバランスを考えていくことが重要です。

また、保育士の確保については、令和7年度は既存の保育施設で申込児童を受け入れることができた一方、令和8年度には待機児童が発生しました。

保育料無償化による需要の変化も踏まえ、保育士の確保や保育施設の受入体制について、引き続き機動的な対応をお願いいたします。

特に、保育士の人材紹介に係る費用など、各施設の経営上の負担についても、実態を把握し、必要な支援につなげていただきたいと思います。

また、ファミリーサポート事業は、0歳から18歳までの子どもを対象とする、非常に貴重な制度です。

子どもが成長するにつれて、保護者が利用できる支援制度は少なくなりますが、小学生の送迎や見守りなど、実際の生活の中ではさまざまな支援ニーズがあります。

協力会員の確保に向けて、引き続き工夫を重ねていただきたいと思います。

さらに、学童への宅配弁当事業についても、保護者の負担軽減に大きく寄与する取組として、感謝を申し上げます。

注文数が減少している状況は気になるところですが、必要とする家庭が安心して利用できるよう、今後も事業の継続に向けた取組をお願いいたします。

第16款 教育費

次に、教育費についてです。

令和7年度には、小学校登校時間前の居場所づくり事業が開始されました。

この事業は、保護者の就労環境が多様化する中で、登校時間前に子どもが安心して過ごせる場所を確保するものです。

利用人数だけで事業の必要性を判断するのではなく、たとえ利用する児童が少数であっても、必要としている子どもや家庭があるということを大切にしていただきたいと思います。

また、1人1台端末については、令和7年度の端末更新にあわせて、利用時間や動画視聴、インターネットへのアクセスなどの制限が見直されました。

以前は保護者から端末の利用に関する不安や改善を求める声を多くいただいておりましたが、更新後は、そうした声を耳にする機会が大幅に減ったと感じています。

保護者の声を受け止め、適切な利用環境の整備に取り組んでいただいたことに、改めて感謝を申し上げます。

一方で、学校現場では新たな課題も生じています。

その一つが、外国籍児童生徒への対応です。

日本語が十分に理解できない状態で入学・転入する児童や、日本語での意思疎通が難しい保護者が増える中、教職員の皆様には、学習指導だけでなく、保護者への説明や生活面での支援など、さまざまな負担が生じています。

また、発達に関する課題についても、言語や文化的な背景の違いから、学校と家庭が課題を共有すること自体が難しい場合があります。

子どもが適切な支援につながるまでに時間がかかることは、本人にとっても、周囲の子どもたちや教職員にとっても望ましいことではありません。

日本語指導の充実はもちろん、保護者との円滑な意思疎通や、発達に関する相談支援など、教育と福祉が連携した対応を進めていただきたいと思います。

さらに、学校を支えるPTAについても、担い手不足が深刻になっています。

PTAは任意団体ではありますが、登下校の見守りをはじめ、子どもたちの安全や学校生活を支える役割を担ってきました。

今後、PTAの組織形態が変化したり、活動を縮小する学校が増えたりすることも想定されます。

これまでPTAが担ってきた活動のうち、本当に必要なものは何なのか、そして、それを誰がどのように担うべきなのか。

任意団体であるPTAに依存するだけでなく、行政や学校、地域がそれぞれの役割を整理していく必要があると考えます。

また、中学校の内申点についても意見を申し上げました。

高校入試制度そのものは東京都が所管するものですが、学校によって内申点の取りやすさが異なるのではないかという声が保護者の間に存在していることは、区の教育行政としても認識しておく必要があると考えます。

子どもたちの努力が適切に評価され、保護者も納得できる評価のあり方について、引き続き丁寧な対応をお願いいたします。

さらに、学校施設の整備についても申し上げます。

学校施設の解体時期については、新たな建築計画が決定してから解体を行うという手順への変更を、改めて求めます。

これまでも検討を重ねているとの答弁をいただいておりますが、早期の実現を期待いたします。

また、木造・木質校舎化については、学校改築事業における入札不調や建設費の高騰など、事業を取り巻く環境が大きく変化しています。

木造校舎には魅力がある一方、財政負担の増加が懸念される中では、事業の優先順位を改めて検討する必要があります。

学校改築事業全体の円滑な推進を優先し、木造校舎化の取組については、一時凍結も含めた見直しを求めます。

結びに

最後に、改めて申し上げます。

私たちは、行財政改革と次世代への投資を、相反するものだとは考えていません。

むしろ、次世代への投資を続けていくためにこそ、不断の行財政改革が必要であると考えています。

行政が担うべき役割を見極め、既存事業の必要性や成果を検証し、限られた財源と人員を効果的に配分していくこと。

そして、そこで生み出された財源や人的資源を、教育や子育て支援をはじめ、将来の江戸川区を支える分野へと振り向けていくこと。

同時に、効率性だけでは測ることのできない区民一人ひとりの暮らしにも目を向け、必要な支援を確実に届けていくこと。

これこそが、私たちの考える持続可能な区政運営のあり方です。

決算審査は、過去の支出が適切であったかを確認するだけでなく、その成果を検証し、今後の予算編成や事業の改善につなげるための重要な機会です。

令和7年度決算で明らかになった成果や課題を、次年度以降の区政運営にしっかりと反映していただくことを要望いたします。

子どもたちが将来に希望を持ち、安心して学び、成長できる江戸川区であるために。

そして、すべての区民が安心して暮らし続けられる江戸川区であるために。

引き続き、行財政改革と次世代への投資を両輪として、区政を進めていただくことをお願い申し上げ、維新と区民の会の総括意見といたします。

今回の決算審査では、区の取組によって着実に成果が生まれていることを確認できた一方、長年続いてきた制度の見直しや、費用対効果の検証が必要な事業も見えてきました。

行政の仕事は、必ずしも数字だけで成果を測れるものではありません。利用者が少なくても必要な事業もあれば、一定の成果が出ていても、より効率的な方法を検討すべき事業もあります。

大切なのは、「何のために行う事業なのか」「区民の暮らしにどう役立っているのか」を問い続けることだと考えています。

決算審査で指摘した課題が、その後どのように改善されていくのか。今後の予算審査や委員会活動でも、引き続き確認してまいります。

江戸川区長記者会見を解説!豪雨対策・待機児童・新たな子ども未来館など6つの発表

江戸川区長定例記者会見の概要。豪雨対策、災害時の水の確保、待機児童対策、新たな子ども未来館、物価高対策など6つの発表

9月17日、第3回江戸川区議会定例会を前に、江戸川区長の定例記者会見が行われました。

今回の会見では、豪雨などの災害対策から、待機児童対策、新たな子ども未来館、物価高への支援まで、区民生活に関わるさまざまな発表がありました。

特に子育て世帯にとっては、「大雨のとき学校はどうなるの?」「保育園に入れるの?」「新しい子どもの施設はどこにできるの?」など、気になる内容も多く含まれています。

ポイントを分かりやすくまとめます。

① 大雨のとき、学校や区施設はどうなる?判断基準を事前に公表へ

近年、短時間での猛烈な雨が増えています。江戸川区でも7月17日、8月13日に「大雨危険警報レベル4」が発令されました。

こうした際に、「学校は休みになるの?」「区民館は開いているの?」と迷うことがありました。

そこで区は、警報発表時に学校や区施設を閉める基準を、平常時からホームページなどで公表する方針を示しました。

区長の説明によると、小中学校については、前日の14時時点で翌日の6時~18時にレベル3以上となる見込みの場合、登校ではなくオンライン授業に切り替える考えです。幼稚園・保育園については休園となります。

一方、区民館、コミュニティ会館、文化・スポーツ施設、図書館などは、基本的にレベル4で閉館する考えが示されています。

また、小松川第一トンネルでは、冠水対策として新たに3台のカメラを設置。離れた場所からもトンネル内外の状況を確認できるようにします。

先日の大雨でも、学校を休校にするのかどうか、各自治体で判断が分かれました。

天候は予測通りにならないこともあるため、すべてを機械的に決めることは難しいと思いますが、「どういう基準で判断するのか」をあらかじめ区民に示しておくことは大切だと考えています。

② 大規模災害が起きたら「水」はどうする?

今回かなり詳しく説明されたのが、災害時の水の確保です。

東京都の想定では、首都直下地震が発生した場合、江戸川区で発災直後に水道が供給されるのは約32万人、供給率44.1%。約70万人全員への供給が回復するのは17日後という想定です。

そこで区内には、断水時にも給水できる給水所・応急給水槽が8か所あり、さらに避難所給水拠点13か所へ水を運ぶことで、区内のどこからでも徒歩20分以内で水を確保できる体制をとっています。

さらにスタンドパイプを区内136か所に設置し、徒歩5分以内で給水できる体制を目指すとの説明もありました。

ただし、水は「飲めればいい」というものではありません。

お風呂、トイレ、洗濯などの生活用水も必要です。

区では公共施設127施設に376基あるシャワーの活用や、区内23か所の公衆浴場との連携を検討。また、マンホールトイレは現在1,066基あり、防災井戸や学校のプールの水なども活用していく考えが示されました。

災害時の「水」というと飲料水に目が行きがちですが、長期の避難生活を考えれば、トイレや衛生環境まで含めた備えが重要です。

③ 待機児童が75人に。来年4月に700人分の定員拡大へ

子育て世帯にとって非常に大きな発表です。

江戸川区では令和4年度から令和7年度まで4年連続で待機児童ゼロを達成していましたが、令和8年度は75人の待機児童が発生しました。

内訳は、

0歳児18人、1歳児57人

です。

資料では全国で5番目に多い待機児童数となっています。

一方で、単純に「保育園を増やしてこなかった」という話でもありません。

過去10年間で認可保育施設は110園から186園へ76園増加、定員も11,357人から16,717人へ5,360人増加しています。さらに令和8年度は、保育施設を利用する児童の増加数が466人と全国の自治体で最も多く、定員も590人増やしています。

それでも0・1歳児を中心に需要が上回った形です。

区は令和9年4月に向けて、

  • 新しい保育園5園を開設:約360人
  • 0~2歳を受け入れる園を3園追加:約140人
  • 区立園の定員増、私立園の弾力化など:約200人

合わせて700人分の定員拡大を目指します。

ただ、施設だけ増やしても保育士がいなければ受け入れられません。

そのため、保育人材確保への支援についても拡充する方針が示されました。

江戸川区は子どもの人口自体は減少しています。それでも保育需要が増えているということは、人口だけでは今後の保育ニーズを予測できないということでもあります。

働き方や保育ニーズの変化もしっかり見ながら、必要な受け皿を確保していく必要があります。

④ 北葛西に「新たな子ども未来館」

私が特に注目しているのが、こちらです。

現在、篠崎町には「子ども未来館」があり、小学生を対象にさまざまな探究型の講座を行っています。2025年度には573回の講座が開催され、延べ11,858人が参加しました。

今回、2つ目となる「新たな子ども未来館」を整備する方針が示されました。

場所は、今年3月に閉園した旧宇喜田幼稚園(北葛西4丁目)です。

土地・建物を区が購入するため、今回の補正予算案には26億4,407万円が計上されています。建物は2015年築と比較的新しく、既存施設を活用します。

現在の子ども未来館が持つ「学び」に加え、新施設では屋内で「学び」「遊べる」施設を目指すとのこと。

内容については、民間事業者だけでなく、子どもたち自身の意見も聞きながら検討していく予定です。

令和8年度に土地・建物を取得し、令和9年度に基本計画策定・工事、令和10年度の開設が予定されています。

子どもたちが雨の日や猛暑の日にも安心して過ごせて、さらに「やってみたい」「もっと知りたい」という気持ちを伸ばせる場所になることを期待しています。

一方で、26億円を超える土地・建物の取得となりますので、議会でも内容や費用についてしっかり確認していきたいと思います。

⑤ 物価高に苦しむ区内事業者への支援

物価高への対応も発表されました。

区が行った産業実態調査では、区内事業者から固定費への補助や資金繰りへの支援を求める声が多く寄せられたとして、介護・保育施設への物価高騰支援に加え、融資制度を拡充します。

「経営安定資金特別融資」では、融資限度額をこれまでの1,000万円から2,000万円へ拡大。本人負担となる金利は0.5%となるよう利子補給を行い、信用保証料は全額補助する方針です。

物価や人件費などの上昇が続く中、区内の事業者が事業を継続できる環境づくりも重要です。

⑥ 江戸川区の公式PRキャラクター「エドリバー」

最後は少し楽しい話題です。

これまで江戸川区には、なんと35体ものキャラクターがありました。

そこで区を代表する公式PRキャラクターとして誕生したのが、「エドリバー」です。

缶バッジ250円、ポロシャツ3,000円などのグッズ販売も始まっており、今後はアクリルスタンドやシールなども予定されています。

面白いのは、単なるPRグッズではないところ。

缶バッジなどの一部の制作工程を区内の福祉作業所に依頼し、障害のある方の就労収入の確保にもつなげる取り組みになっています。

また、江戸川ナンバーの寄付金を活用し、エドリバーをデザインした反射材キーホルダー約6,300個を制作。地域イベントや交通安全教室などで配布する予定です。

今回の記者会見を受けて

今回の記者会見は、災害対策、子育て、地域経済など、区民生活に直結する内容が多くありました。

特に私は、待機児童対策と新たな子ども未来館、そして豪雨時の学校の対応に注目しています。

行政が新しい施策を打ち出すことは大切ですが、それが実際に区民にとって使いやすいものになっているのか、費用に見合った効果があるのかまで確認するのが議会の役割です。

今回発表された内容の中には、第3回定例会の補正予算案としてこれから議会で審査するものもあります。

私自身も、子育て中の一人として、そして区議会議員として、「発表されて終わり」ではなく、その後どう実施されていくのかをしっかりチェックしていきます。

また議会で分かったこと、新しい動きがあれば、こちらのブログやSNSでも随時お知らせしていきます。

江戸川区議会議員として、子育てと教育に取り組む理由

江戸川区議会議員の林あきこです。

私が江戸川区議会議員として特に力を入れている政策の一つが、子育てと教育です。

なぜ、この分野に力を入れているのか。

その原点は、私自身が江戸川区で子どもを育てる中で感じた、たくさんの「もっとこうなればいいのに」「なんでこんなに不便なんだろう?」という小さな疑問でした。

出産をきっかけに、行政が一気に身近になった

子どもを産む前の私は、行政との接点がそれほど多いわけではありませんでした。

ところが、妊娠・出産をすると状況が一変します。

妊婦健診、出産後の健診、子どもの予防接種、保育園への入園、そして子どもが小学生になれば学校や学童――。

子どもが生まれたことをきっかけに、行政サービスが生活のすぐそばにあることを実感するようになりました。

同時に、実際に制度を利用する側になったからこそ、気になることも増えていきました。

特に、働きながら子育てをしていると、

「もっとこういう仕組みだったら使いやすいのに」

「どうしてこんなに手続きが大変なんだろう?」

「今の働き方や子育ての実態に、制度が追いついていないのでは?」

と感じる場面が少なくありませんでした。

保育園のこと、学童のこと、学校のこと。

一つひとつは日常の中の小さな困りごとかもしれません。

でも、同じような不便を感じている家庭がたくさんあるのであれば、それは個人の問題ではなく、行政の仕組みとして考えるべき課題なのではないか。

そんなことを考えるようになりました。

「だったら江戸川区の職員になろう」

そこで私が最初に考えたのは、政治家になることではありませんでした。

「だったら、自分が行政の中に入って変えればいい」

そう考え、特別区(東京23区)の経験者採用試験を受験することにしました。

当時の私は民間企業で働いていましたので、その経験を行政でも生かしながら、江戸川区の子育て環境をもっと良くしていきたい。

そんな思いで試験に挑戦しました。

ところが、面接試験の準備をしていたとき、思いがけない転機が訪れます。

模擬面接で言われた「それは区議会議員の仕事です」

予備校で模擬面接を受けたときのことです。

面接官役の方から志望動機を聞かれ、私はこれまで考えてきたことをそのまま話しました。

江戸川区で子育てをする中で、制度について「もっとこうした方がいい」と思うことがある。

自分の経験を生かして、子育てしやすい江戸川区にしていきたい。

そんな話をしたところ、返ってきたのが、

「その志望動機は、区役所の職員ではなく区議会議員の仕事ですね」

という言葉でした。

言われてみれば、確かにその通りでした。

行政職員は、法律や条例、予算などに基づいて行政サービスを着実に実施していく立場です。

一方で、「この制度を変えた方がいいのではないか」「新しい仕組みをつくれないか」と住民の声を行政に届け、政策として提案し、予算や制度をチェックするのは、まさに議会の役割です。

そこで初めて、

「区議会議員になるという方法もあるのか」

と考えるようになりました。

志望動機ではなく、志望先を変えました

普通なら、採用試験に合格するために志望動機を書き直すところだったのかもしれません。

でも私は、

志望動機を変えるのではなく、志望先を変えることにしました。

そこから「選挙に出るって、そもそもどういうことなんだろう?」と調べ始めました。

選挙の仕組みも、政治の世界も、最初から詳しかったわけではありません。

それでも、自分が江戸川区で暮らし、働き、子どもを育てる中で感じてきたことを、行政の仕組みを変える側から届けてみたい。

そう考え、江戸川区議会議員選挙への挑戦を決めました。

そして選挙を経て、江戸川区議会議員として仕事をすることになりました。

子育ての「小さな困った」を政策につなげたい

議員になった今でも、私の原点は変わっていません。

子育てをしていると、

「これ、もう少し何とかならないかな」

と思うことがたくさんあります。

保育園、学童、学校、不登校、特別支援教育、外国籍の子どもへの日本語教育、登下校の安全、保護者と学校との関係など、子育てや教育を取り巻く課題は多岐にわたります。

行政から見れば一つの「制度」であっても、利用する家庭にとっては毎日の生活そのものです。

だからこそ私は、制度をつくる側の論理だけではなく、実際に子育てをしている人がどう感じるのか、子どもにとってどうなのかという視点を大切にしたいと思っています。

もちろん、すべての要望を行政サービスで解決できるわけではありません。

限られた税金を使う以上、本当に行政が担うべきことなのか、費用に見合った効果があるのかという視点も必要です。

そのうえで、時代や生活の変化に合わなくなった制度は見直し、必要なところにはしっかりと支援を届ける。

そんな江戸川区にしていきたいと考えています。

江戸川区で子どもを育ててきた一人として

私が政治の世界に入ったきっかけは、何か大きな政治理念が最初にあったからではありません。

江戸川区で子どもを育てながら感じた、

「もっとこうなればいいのに」

という、とても身近な疑問でした。

あのとき模擬面接で言われた一言がなければ、私は今、区議会議員をしていなかったかもしれません。

けれど、入口は小さな疑問だったとしても、議員になって行政の仕組みや予算を知れば知るほど、子育てや教育をより良くするために議会ができることはたくさんあると感じています。

これからこのブログでも、江戸川区の子育て・教育に関する制度や課題、議会で私が質問・提案していること、そして実際に制度がどう変わったのかを、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。

「江戸川区のこの制度、どうなっているの?」

「こんなことで困っている」

そんな日常の小さな疑問や声も、ぜひお寄せください。

一つひとつの声を、江戸川区をより暮らしやすくするための政策につなげていきたいと思っています。

日本語入門初期指導推進モデル校・清新ふたば小学校を視察しました

江戸川区立清新ふたば小学校の日本語学級「あさがお」。日本語入門初期指導推進モデル校の視察報告。

今年度、東京都の「日本語入門初期指導推進モデル校」に指定されている、江戸川区立清新ふたば小学校を視察してきました。

清新ふたば小学校がある葛西地域、特に清新町には、外国にルーツを持つ子どもたちが多く暮らしています。学校でもその割合は年々増えてきています。

こうした中で重要になっているのが、日本語の指導です。

入学、転入直後の「最初の3か月」を支援

今回視察した「日本語入門初期指導」は、日本語指導が必要な児童が、できるだけ早く日本での生活や学校生活に適応できるよう支援する取組です。

東京都では今年度、4地区8校をモデル校に指定。江戸川区では、清新ふたば小学校と小岩第四中学校が指定されています。

モデル校では主に、

  • 入学前の日本語教室
  • 入学・転入直後の約3か月間の集中的な日本語指導
  • 異文化や多様性について理解する機会づくり

に取り組んでいます。

今回は実際に、1年生のクラスと、2年生以上の子どもたちのクラスを見学させていただきました。

「日本語を覚える」だけではなく、「授業についていく」ための日本語

特に印象に残ったのは、通常学級での学習と日本語指導をしっかり連動させていることです。

通常学級の担任から、翌週にどのような授業を行うのかを事前に日本語学級の担当教員へ共有。

例えば通常学級の理科で「乾電池と豆電球」を学ぶのであれば、その授業を理解するために必要な日本語をあらかじめ学びます。社会科で歴史を学ぶ場合も同様です。

日本語で日常会話ができることと、国語・算数・理科・社会などの授業を日本語で理解できることは、同じではありません。

単に「日本語を話せるようにする」のではなく、通常学級で一緒に学べるようになることを目指している点は、とても大切だと感じました。

1年生については、単純に文字を繰り返し書かせるのではなく、体験を取り入れながら楽しく日本語を身につけられるよう工夫されていました。

初期指導を卒業したら、従来の日本語学級へ

約3か月間の初期指導を終えれば、それですべての支援が終了するわけではありません。

必要な児童は、従来からある日本語学級で引き続き日本語を学びながら、教科学習を進めていきます。

さらに清新ふたば小学校では、初期指導を終えた児童についても、通常学級で授業についていけているかを担当教員が確認し、必要に応じて支援を続けています。

「初期指導→日本語学級→通常学級」

と、段階的に学びをつないでいく仕組みが見えてきました。

日本語指導だけではない、多文化共生の取組も

清新ふたば小学校では、日本語を教えるだけでなく、学校全体で異なる文化や背景を理解する取組も行われています。

日本語学級の児童による日本語学習発表会のほか、子どもたち自身が企画したラマダンについて紹介する会なども開催。

大人がすべてを企画するのではなく、子どもたちが主体となり、先生方がサポートする形で行われていることも印象的でした。

また、在校生・卒業生の保護者などによる「学校応援団」が、入学説明会での支援や新学期書類記入などを支援しています。

外国にルーツを持つ家庭が増える中、学校の先生だけですべてを担うのではなく、地域の力を生かしていることも、この学校の大きな特徴だと感じます。

課題は、モデル事業が終わった後

一方、今後考えなければならない課題もあります。

この東京都のモデル事業は2年間の事業です。

その後も江戸川区として取組を継続するのであれば、区独自の予算や人員を含め、どのような体制を構築するのか検討しなければなりません。

また、今後は周辺校からの通級も検討されています。

そこで出てきたのが、

「対象を広げることで、利用希望者が一気に増える可能性がある」

という課題です。

ただ、これは「事業を始めたから需要が増える」というより、これまで見えていなかった支援ニーズが表面化する可能性があると考えるべきではないでしょうか。

江戸川区全体で、来日・転入直後の初期日本語指導を必要としている子どもがどのくらいいるのか。

現在、そのうち何人が適切な支援につながっているのか。

まずは実態をしっかり把握する必要があると感じました。

「外国人の子どもに税金を使うのか」という意見について

外国にルーツを持つ子どもへの支援について発信すると、「外国人のために日本の税金を使うことに疑問がある」というご意見をいただくことがあります。

そうした疑問が出てくること自体は理解できます。限られた税金をどこに、どの程度使うのかは、行政として当然考えなければならないことです。

一方で、学校に通う子どもたちの多くは、自分自身の意思で日本に来たわけではありません。親の仕事や家庭の事情などによって日本で生活することになり、日本語が分からない状態で突然、日本の学校に入る子どももいます。

そうした子どもを「日本語ができないから」とそのままにしておくことが、果たして本人にとっても、学校にとっても良いことでしょうか。

授業が理解できなければ、学習の遅れだけでなく、友達とのコミュニケーションが難しくなり、孤立やいじめ、不登校などにつながる可能性もあります。子どもの学ぶ権利という観点からも考える必要があります。

そして、これはその子だけの問題ではありません。

通常学級で日本語が十分に理解できない児童がいれば、担任の先生には個別の説明や対応が必要になります。当然、同じ教室で学ぶほかの子どもたちにも影響します。

だからこそ私は、日本で生活し、日本の学校で学ぶのであれば、できるだけ早い段階で日本語をしっかり身につけてもらうことが重要だと考えています。

これは外国にルーツを持つ子どもを特別扱いするためではありません。

本人が自立して学校生活を送り、周囲の子どもたちと一緒に学べるようにすること。そして先生方が授業を円滑に進められるようにすること。長い目で見れば、地域の中で生活していくための基盤をつくることでもあります。

もちろん、だからといって際限なく予算を投入すればよいということではありません。どのような支援が効果的なのか、どこまで行政が担うべきなのか、費用対効果も含めて検証する必要があります。

今回のモデル事業についても、「外国人支援だから必要」ということではなく、初期段階で集中的に日本語を学んでもらうことが、本人にも、周囲の子どもにも、学校にもプラスになるのか。その成果をしっかり検証した上で、今後の江戸川区の取組を考えていきたいと思います。

臨時会で何が起きたのか ~議会運営の難しさを考えた一日~

5月28日に江戸川区議会の臨時会が開催されました。

この日の議会は、本会議の途中で議事進行がかかり中断。その後、各委員会の委員長・副委員長選挙なども行われた結果、最終的には22時近くまで続き、会期も週明けの6月1日まで延長される、こととなりました。

「何があったのですか?」というお問い合わせもいただいておりますので、私が経験した範囲でお伝えしたいと思います。

今回、私は維新会派を代表して、議員選出監査委員の人事同意議案に対して反対討論を行いました。

反対討論の原稿は以下の通りです。

同意第二号「江戸川区監査委員の選任同意について」、日本維新の会を代表して、反対の立場から討論を行います。
まず申し上げますが、今回の反対は、候補者個人の人格や経歴を否定するものではありません。あくまで、現在の監査体制に対する当会派の問題意識に基づくものであります。
監査委員は、区政運営における重要なチェック機関であり、区民の税金の使われ方を監視し、行政運営の適正性や透明性を確保する極めて重要な役割を担っています。だからこそ、監査機能には高い独立性と実効性が求められるものと考えます。
なお、当会派はこれまで同様の同意議案に賛成してまいりました。しかし、この3年間、議員として活動する中で、本区における監査機能や内部統制の課題について認識を深めるに至りました。とりわけ、不適切な分割発注問題などを通じ、現在の監査体制については、改めて慎重に考える必要があると判断したものであります。
近年、本区では、1500件を超える不適切な分割発注が長期間にわたり行われていたことが明らかとなりました。
私どもは、このような事態を踏まえたとき、現在の監査体制が、区民の期待するチェック機能を十分に果たしていたと評価できるのかについて、重大な疑問を持っています。
さらに、本区では本年度より包括外部監査制度も導入されました。監査の専門性や独立性の強化が求められる中、本区の監査体制そのものが、今まさに大きな転換点を迎えていると認識しております。
そのような状況の中で、当会派は、従来どおり議員選出監査委員の選任に同意することについては、慎重であるべきと判断いたしました。
なお、議員選出監査委員制度そのものについては、地方自治法改正により必置ではなくなっていることも踏まえ、今後、本区として改めて検証や議論を行っていく必要があると考えております。
よって、同意第二号「江戸川区監査委員の選任同意について」には賛成できないことを申し述べ、反対討論といたします。

反対した理由は、候補者個人への評価ではありません。

現在、江戸川区では包括外部監査制度が導入されています。そうした状況の中で、議員選出監査委員のあり方については改めて議論が必要ではないか、という問題提起を行うためです。

もちろん、人事同意案件である以上、「その人に反対している」と受け取られる可能性があることは理解していました。そのため討論では、候補者個人ではなく制度に対する考え方であることを丁寧に説明したつもりです。

一方で、今回の出来事を通じて、私自身も多くのことを考えさせられました。

議会には、本会議だけでなく、その前段階として会派間の調整を行う理事会があります。江戸川区において維新は少数会派のため理事会に出席することができませんが、多くの案件は理事会で事前調整が行われています。

今回、他会派からは「理事会で反対の意思表示がなかったにもかかわらず、本会議で反対するのは議会運営上問題ではないか」という意見が出ていたと聞いています。

私自身、当初は「本会議で反対の意思を示すことは当然認められるべきだ」と考えていました。

しかし、その後さまざまな意見を伺う中で、理事会を重視する立場からは「本会議は突然意見を表明する場ではなく、事前に調整された内容を確認する場でもある」という考え方があることも改めて認識することになりました。

必ずしもその考え方の全てに賛同するわけではありませんが、議会運営には表から見える部分だけでなく、長年積み重ねられてきた慣例や信頼関係があることを改めて感じました。

また、私は少数会派に所属しているため、理事会に出席することができません。そのため、少数会派の意思表明のあり方や、議会運営への関わり方については、今後も考えていくべき課題だと感じています。

本会議は途中で中断となり、その後、議会運営委員会の開催や、各常任委員会・特別委員会における委員長、副委員長の選挙が行われました。当初予定されていた進行から大きく変更されたこともあり、会議は長時間に及ぶこととなりました。

最終的に、議員選出監査委員の人事同意議案は賛成多数で可決されました。仮に複数の会派が反対していたとしても、結果自体は変わらなかったと思います。

しかし、その過程で起きた一連の出来事は、人事同意案件そのもの以上に、議会運営のあり方や少数会派の位置付けについて考えさせられるものでした。

区民の皆さまには見えにくい部分ではありますが、こうした議会の仕組みについても、今後できる限り分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

議会で提案した「5歳児健診」が江戸川区でスタートしています

令和8年度から、江戸川区で新たに「5歳児健診」がスタートしました。

この5歳児健診については、私自身、令和6年第3回定例会の一般質問でその必要性を訴え、江戸川区でも実施するよう提案してきた施策の一つです。

議会で取り上げた課題が、その後、庁内での検討を経て実際の制度として動き始めたことを、大変うれしく思っています。

なぜ「5歳児健診」が必要なのか

江戸川区ではこれまでも、1歳6か月児健診、3歳児健診などを通じて、子どもの成長や発達を確認し、必要な支援につなげてきました。

しかし、3歳児健診の後は、小学校入学前に行われる就学時健康診断まで、すべての子どもを対象として発達などを確認する機会に「空白」がありました。

一方、5歳頃は、保育園や幼稚園などでの集団生活を通して、コミュニケーションや社会性、ことば、行動など、3歳頃には分かりにくかった子どもの特性が見えてくる時期でもあります。

小学校に入学してから「学校生活になじめない」「集団生活で困りごとが出てきた」と気づくのではなく、就学前の段階で子どもの特性や困りごとに気づき、必要な支援につなげることができれば、子ども本人にとっても、保護者にとっても大きな助けになります。

また、健診をきっかけに、子どもの発達だけでなく、子育てに悩んでいる保護者や、支援を必要としている家庭を相談機関につなげることもできます。

こうした問題意識から、令和6年9月の江戸川区議会第3回定例会で、私は5歳児健診について一般質問を行いました。

「義務化を待たず、江戸川区でも実施を」

当時、国では5歳児健診を全国に広げるため、自治体に対する財政的・技術的な支援が始まっていました。

そこで私は一般質問で、

「発達の課題を早期発見するために、国の補助を活用し、義務化を待つことなく、本区においても5歳児健診を実施すべき」

と提案しました。

これに対して区長からは、

「発達課題のある子を早期発見し、早期支援につなぐ5歳児健診は一定の有用性がある」

との答弁がありました。

一方で、当時の保健所長からは、国が推奨する集団健診を行うためには、発達障害の診察ができる医師の確保などの課題があり、「引き続き検討が必要」との答弁でした。

つまり、この時点では必要性については区も認識していたものの、まだ実施には至っていませんでした。

その後検討が進み、令和8年度から実現へ

その後、区の中で検討が進み、令和7年には5歳児健診を進めていく方針が示されました。

そして令和8年度、ついに江戸川区でも5歳児健診がスタートしました。

今回始まった江戸川区の5歳児健診は、単に病院などで健康診断を1回増やすというものではありません。

区内の幼稚園・保育園等に通う子どもについては、保護者へのアンケートや園での定期健診に加え、心理士などの専門職が園を訪問し、集団生活の中での子どもの様子を確認します。

また、認可外保育施設やインターナショナルスクール、区外の園に通っている子ども、未就園の子どもなどについても「5歳児相談会」が用意されています。

子どもの特性や発達上の課題をできるだけ早く把握し、必要に応じて相談や支援につなげていく仕組みです。

私が特に評価したい「部局をまたいだ連携」

今回の5歳児健診で、私が特に評価していることがあります。

それは、行政のさまざまな部署が連携して取り組んでいることです。

行政はしばしば「縦割り」と批判されます。

しかし、子どもの成長や発達を考えれば、「健康」「保育」「福祉」「教育」を切り離して考えることはできません。

今回の5歳児健診は、健康部門、子ども・保育部門、福祉部門、そして教育委員会などが、それぞれの専門性を持ち寄りながら取り組む事業です。

健診で課題を見つけることだけが目的ではありません。

大切なのは、そこで気づいた子どもの特性や家庭の困りごとを、必要な相談や療育、園での支援、そしてその先の小学校生活へとつなげていくことです。

「健診をする」こと以上に、就学前から就学後まで切れ目なく子どもを支えていく仕組みが作られたことに、大きな意味があると考えています。

議会での提案を、実際の制度へ

議員の仕事は、議会で質問をして終わりではありません。

区民の皆さんからいただいた声や、自分自身が感じた課題を調べ、議会で取り上げ、行政に問題提起をする。そして、その後どのように検討され、実際の制度や区民サービスにつながっていったのかまで見届けていく。

私は、そこまでが議員の仕事だと考えています。

令和6年に一般質問で提案した5歳児健診が、その後の検討を経て、令和8年度から江戸川区の事業として実際にスタートしたことは、私にとってもうれしい成果の一つです。

もちろん、制度は「始めること」がゴールではありません。

どれくらいの子どもたちが健診・相談を受け、必要な支援につながったのか。

保護者にとって分かりやすく、利用しやすい制度になっているのか。

そして、就学前に把握した子どもの特性や必要な支援が、小学校入学後の支援へきちんとつながっているのか。

これからは、実施状況や効果についてもしっかり確認していきたいと思います。

提案して終わりではなく、実現した施策が本当に区民のために機能しているのかまでチェックする。

これからも、現場の声を聞きながら、必要な政策を一つひとつ具体的な形につなげていきます。

AIと自治体のこれから

〜「効率化」ではなく「行政のあり方」を問う学び〜

東京維新の会で開催された、自治体におけるAI・DX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマにした勉強会に参加しました。
技術的な話にとどまらず、「行政はこれからどう変わるべきか」「私たちは何を大切にすべきか」を考えさせられる、非常に示唆の多い内容でした。


■ DXやAIは単なる“便利な道具”ではない

よく「AIで業務を効率化する」と言われますが、今回の話を聞いて強く感じたのは、
DXやAIは単なる効率化の道具ではないということです。

むしろ問われているのは、

  • 行政がどんな価値を提供したいのか
  • そのために、仕事のやり方をどう変えるのか
  • どこまでを人が担い、どこを技術に任せるのか

といった、「行政のあり方」そのものです。


■ デジタル化が進んでいるからこそ見えてくる「次の壁」

江戸川区は、全国的に見てもDXが比較的進んでいる自治体だと思います。
その一方で、今回の講義を通じて感じたのは、次の壁が見え始めているということです。

・業務は効率化されたが、その先はどうするのか
・データはあるが、十分に活かしきれているか
・AIを「使える環境」は整ってきたが、「使いこなす文化」は育っているか

こうした問いが浮かび上がってきました。


■ AI活用の本質は「判断の質」を高めること

印象的だったのは、
AIは人の仕事を奪うものではなく、人の判断を支えるものだという点です。

例えば、

  • 大量の情報を整理し、見える化する
  • 傾向や変化を捉え、気づきを与える
  • 職員が本来向き合うべき「人」や「課題」に時間を使えるようにする

こうした役割をAIが担うことで、行政の質そのものが高まっていく、という視点でした。


■ 「できない理由」より「どうすればできるか」

印象に残ったのは、
民間では当たり前に行われているABテストやデータ分析が、行政ではなかなか進まないという話です。

その背景には、

  • 失敗が許されにくい文化
  • 公平性への過度な配慮
  • 前例を重んじる組織体質

といった要因があります。

しかし、本当に大切なのは「失敗しないこと」ではなく、
小さく試し、学びながら改善していくことなのではないかと感じました。


■ データは“開いてこそ”意味を持つ

ロンドン市の事例や、コロナ禍での日本のデータ公開の話も印象的でした。
データを閉じたままでは価値は生まれません。

市民、企業、研究者がデータを使い、考え、行動する。
行政はそのための「土台」を整える役割を担う。

これは、これからの自治体にとってとても重要な視点だと思います。


■ 江戸川区として、これから

今回の学びを通じて感じたのは、
江戸川区はすでに多くの土台を持っているということです。

だからこそ、

  • 次の一歩をどう踏み出すか
  • どんな文化を育てていくのか
  • どこまで挑戦する覚悟を持つのか

が問われていると感じました。

AIやDXは目的ではなく、あくまで手段。
大切なのは「人」と「組織」、そして「未来への意思」だと思います。


今後も学びを重ねながら、
江戸川区がより良い行政サービスを提供できるよう、考え、行動していきたいと思います。

学校の渡り廊下、実は問題だらけ?住民監査請求の結果を分かりやすく解説!

こんにちは、江戸川区議会議員の林あきこです。

今回は、区立平井東小学校で行われた渡り廊下工事を巡る問題で、私たちの税金がどう使われ、責任は誰にあるのか、住民監査請求が行われました。5月2日にその結果が出ましたので、その内容を分かりやすくお伝えします。

元のPDFはこちらから見ることができます→令和7年3月6日に請求のあった住民監査請求に係る監査結果

この問題、契約の仕方と建物の安全性の二つに大きな問題があったということが、住民監査請求でも明らかになっています。

どんな工事だったの?何が問題だったの?

問題となった工事は、平井東小学校の既存校舎と「すくすくスクール」(学童クラブ)の間を行き来するための渡り廊下を新しく作る工事でした。工事の総額は1557万6000円でした。

しかし、この工事には、主に以下の問題が指摘されています。

  1. 違法な契約の分割発注
    • 本来、130万円を超えるような公共工事は、多くの業者が公平に参加できる「競争入札」という手続きで業者を選ぶのがルールです。
    • ですが、今回の渡り廊下工事は、なぜか1件あたり129万8000円という金額で12件に分割され、同じ業者に「随意契約」という形で発注されていました。
    • これは、競争入札を避けるために意図的に行われた、法律に違反するやり方だと監査委員も指摘しています。
    • 実は、このように競争入札を避けるための分割発注が、この5年間で1123件も行われていたことが明らかになっています。
  2. 建築基準法違反による安全性の欠如
    • 屋根のある渡り廊下のような建物を作る場合、建物の安全基準を満たしていることを区の担当部署(建築指導課)に知らせる「計画通知」という手続きが必要です。
    • しかし、この手続きが行われていませんでした。
    • さらに、後から渡り廊下を壊して調べたところ、基礎の深さが足りなかったり、アンカーボルトの形や取り付け方、鉄骨の接合部分の厚さが基準を満たしていなかったりなど、建築基準法上の安全基準を満たさない点が複数見つかりました。
       ※安全基準については、すでに文教委員会で同僚議員によって指摘されております。

安全ではなかった渡り廊下はどうなったの?

安全性の問題が判明したため、子どもたちの安全を最優先に考え、渡り廊下の屋根と柱の部分は撤去されました。この撤去工事には、約86万円の費用がかかっています。なお、この費用についてはいったん区から支払われており、今後の扱い(不適切な工事を行った業者に支払わせるのかどうか)については検討中であると聞いています。

住民監査請求って?誰の責任が問われたの?

この一連の問題に対し、ある区民の方が「税金が違法・不当に使われ、区に損害が生じた。関係者に損害賠償を請求すべきだ!」として、区長に対し以下の人々への措置(損害賠償請求など)を求める「住民監査請求」を行いました。

  • 江戸川区長
  • 令和5年度の教育長
  • 令和5年度の総務部長
  • 令和5年度の学校施設課長
  • 工事を請け負った業者(受託事業者)

損害としては、工事費用の1557万6000円と撤去工事にかかった費用などが挙げられました。

監査の結果はどうなったの?

監査委員は、この住民監査請求を受けて調査を行い、それぞれの人に対する請求について以下のように判断しました。

  • 江戸川区長:請求は「棄却」
    • なぜか? 区長は、区の財務に関する権限の一部を特定の職員に任せています(権限の委任)。今回は、1件130万円未満の契約権限は学校施設課長に、それ以上の契約権限は総務部長などに委任されており、区長はこの分割発注の決定プロセスに直接関わっていませんでした。
    • 区長が賠償責任を負うのは、部下の違法行為を知っていた、または知ることができたのに阻止しなかった場合(指揮監督義務違反)に限られます。今回の分割発注や安全性の問題について、区長が事前に知っていた、あるいは知ることができたという状況は認められないと判断されました。
    • また、現時点で区長が関係者への損害賠償請求などを「怠っている」とまでは言えない、と判断されました。
  • 令和5年度教育長、令和5年度総務部長:請求は「却下」
    • なぜか? 住民監査請求の対象となるのは、問題となった財務会計行為を行う権限を持つ者、またはその権限を委任された職員とされています。
    • 教育長は、法律上、今回の契約事務を行う立場にありません。
    • 総務部長は一定額以上の契約権限を委任されていますが、1件130万円未満の工事については、所管課長(学校施設課長)に直接権限が委任されており、総務部長はこの個別の分割契約に関与する権限はありませんでした。
    • したがって、今回の問題について、教育長や総務部長は住民監査請求の対象となる「職員」には該当しないと判断されました。
  • 令和5年度学校施設課長:監査委員の「結論が出ず(合議不調)」
    • この元課長は、1件130万円未満の契約権限を持っており、今回の分割された契約の担当者でした。
    • 監査委員は、分割発注が違法である可能性は高いと認めつつも、それ自体が直接損害(契約金額全額など)につながるとは言い切れない、と判断しました。
    • 問題となったのは、安全性の欠如に対する責任です。元課長が建築基準法の手続きをしなかったことや、業者への指示・監督について、賠償責任(重過失が必要)が問えるかどうかが議論されました。
    • 監査委員の間で、元課長に「重過失」があったかどうかについて意見が分かれ、結論を出すに至りませんでした。
  • 本件受注業者(工事を請け負った業者):請求は「一部認容」
    • なぜか? 業者は建築のプロとして、請け負った建物が建築基準法などの安全基準を満たす義務がありました。
    • 安全基準を満たしていなかったことは、契約の内容に適合しない「契約不適合(瑕疵)」にあたります。
    • 監査委員は、安全基準違反は、専門業者としての「重過失」に基づくものだと考えられると判断しました。
    • 契約の条項には、業者の重過失による契約不適合の場合、建物の引き渡しから1年以上経っていても責任を問えることが定められています。
    • これらの理由から、監査委員は区に対し、「撤去せざるを得なくなった屋根と柱を作るのにかかった費用相当額(ただし、撤去した部材に価値があればその分は引く)」と、「撤去にかかった費用」について、業者に損害を補填するよう求める措置を講じることを勧告しました。

監査委員からの意見と今後の期待

今回の件を受けて、監査委員は区に対し厳しい意見を述べています。

  • 本来必要な契約手続きが、担当部署の誤った認識のまま行われていたことが明らかになった。
  • 子どもたちの安全のためには、法令遵守はもちろん、工事契約に必要な手続きをしっかり行い、工事完了後の検査も確実に行うべき。
  • 請け負った業者も、プロとして建物の強度や安全基準を満たすのは当然の責務。
  • 今回の問題を機に、区全体の事務事業を徹底的に見直し、再発防止策を講じること(全庁的な調査、第三者委員会設置など区は対応を進めている)。
     ※第4回定例会の一般質問でも、指摘をしています。
  • 職場のマニュアル見直しや職員が確認すべきポイントを明確化し、さらに「内部統制制度」の本格的な導入を進めるべき。

このように、今回の監査結果では、区長や元教育長、元総務部長の法的な賠償責任は認められませんでしたが、工事のずさんな実態や安全性の問題が改めて浮き彫りになりました。

監査委員は、安全性の欠如に対する責任の一部は工事を請け負った業者にあるとし、区に対して業者への損害賠償請求を勧告しました。

江戸川区には、この結果を重く受け止め、勧告に従って業者への賠償請求を進めるとともに、監査委員の意見を踏まえ、二度とこうした問題が起きないよう、職員の意識改革と組織全体の業務プロセスを根本から改善していくことが強く求められています。

今後の区の動きはどうなっていくの?

今回の住民監査請求の結論では、
「分割発注そのものは違法であったが、直ちに区に損害を生じさせたものではない」
という判断になっており、いわば“注意勧告レベル”の判断にとどまっています。
そのため、区として「義務」としてやらなければならない措置(例:損害賠償、契約取消、懲戒処分など)は明示されていません。
監査委員の「意見」はありますが、法的拘束力はありません。
よって、区が本気で反省・改善をしようとしなければ、“なかったこと”として処理されかねない状況です。
したがって、議会や区民がしっかりと監視し、定期的に再発防止策の実施状況を確認する姿勢を見せることが不可欠です。

私個人としても、会派としても、引き続き文教委員会や本会議で継続的に問い続けることが重要と考えております。区民の皆さまも、引き続きご注目いただきますようお願いいたします。

令和7年第1回定例会 一般質問で分割発注の問題と、幼保小連携について質問しました。

江戸川区議会 令和7年度第1回定例会で一般質問をさせていただきました。

質問全文と、執行部からの答弁を掲載します。

通告に従い、質問させていただきます。

 昨日の本会議でも他会派議員から質問がございましたが、平井東小学校を発端とした不適切な事務については区民の皆様の信頼を大きく損なうものであり、深く憂慮しております。区民からの信頼を取り戻すためにも、これから行う質問については、区長の明確なご答弁を伺いたいと思います。

 今回の不適切事案では、随意契約の制限を免れるため、工事を分割して発注する事例が多数確認されました。1月30日の記者会見では、請負工事の不適切な分割発注が1,123件報告されたほかに、年間単位工事契約が464件、物品購入の分割発注が55件あったことが明らかにされています。

 本来、一体的に発注すべき工事を分割したことにより、競争原理が働かず、結果的にコストが高くなった可能性があることを、当会派は強く懸念しております。もし入札を行っていれば、より安価に工事を発注できた可能性が非常に高いのではないでしょうか。

 地方自治法施行令第167条には、請負契約において、130万円を超える契約については、随意契約が認められるのは「緊急の必要により競争入札に付することができないとき。」といったやむを得ない場合に限られると定められています。このため、地方自治法施行令に定められている条件以外での安易な随意契約は、税金の無駄遣いにつながることを強く認識すべきです。

 繰り返しになりますが、地方自治法では競争入札が原則であり、随意契約は例外とされており、随意契約を多用することは、法の趣旨に反する可能性があります。

 今回の分割発注は、随意契約の制限を回避する目的で行われたと見られますが、当時、担当部局であった学校施設課、契約を担っていた用地経理課、そして支払いを執行していた会計課では、この行為が地方自治法に違反する可能性があるとの認識があったのでしょうか。会見では、誤った認識であったと言及されていましたが「子どもたちのため」「区民のため」という大義名分の下で法令順守を軽視してしまった姿勢は、容認することができません。法令遵守の意識欠如こそが、今回の事案の根本的な原因であると考えます。

 今回の事案を受け、区は第三者検証委員会を設置し、再発防止策を検討するとしています。先の総務委員会において議案審査が行われ、先ほど可決されました。当会派も第三者検証委員会の設置には賛成の立場であり、委員会の中で問題の検証がしっかりと行われ、再発防止策が検討されることを期待しております。

 しかしながら、第三者検証委員会の結果はもちろん尊重しなければならないですが、区自身が主体的に再発防止に取り組む姿勢も必要です。過去5年間で1,123件もの不適切な分割発注があったということは、年間平均224件の入札案件が日常的に発生していたことを意味します。つまり、事案発覚から現在、そして第三者検証委員会による調査期間中も、入札が必要となる案件は引き続き発生します。したがって、第三者検証委員会による再発防止策が策定されるまでの間も、不適切な事務を防ぐために区として早急な対策を講じる必要があります。

 契約手続きの透明性向上、職員の研修徹底、内部監査の強化など、第三者検証委員会による再発防止策が決まるまでの間に講じるべき具体的な対策について、区はどのように考えているのでしょうか。

 そこで、区長に3点お伺いいたします。

  1. 随意契約は緊急の場合など、やむを得ない場合に限って認められるべきであり、安易な随意契約は税金の無駄遣いにつながることを強く認識すべきと当会派は懸念しています。適正に入札を行っていれば、より安価に工事を発注できていたのではないかと考えますが、区長のご見解をお聞かせください。
  2. 今回の行為について、地方自治法に違反する可能性があるとの認識が当時あったのか、またそのご見解についてお答えください。
  3. 第三者検証委員会の発足はこれからであり、全容解明までには時間がかかりますが、区として具体的にどのような再発防止策を講じるのか、現時点で考えている具体的な対策についてお聞かせください。委員会の報告を待つことなく、区として厳正に対処すべきと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。

 続いて、幼保小連携の推進について質問いたします。

 現在、江戸川区では幼稚園・保育園・こども園・小学校がそれぞれ独自に幼保小連携に取り組んでいます。しかし、区として一貫した方針や具体的な施策はなく、施設や学校ごとの対応に委ねられているのが現状です。このような状況では、連携の質にばらつきが生じ、進学先の学校によって子どもたちが受けられる支援に差が出てしまいます。全ての子どもが等しく恩恵を受けられる環境を整備することは、教育行政の重要な責務ではないでしょうか。

 実際に、保育現場の先生方からは、近隣の小学校に連携の打診をしても、ある学校は積極的に受け入れてくれる一方で、別の学校ではなかなか連携の機会が得られないといった声を伺います。こうした連携体制の違いが、児童の小学校生活への適応に影響を及ぼす可能性があります。適応に差が出ることで、「小一プロブレム」と呼ばれる問題にもつながりかねません。

 「小一プロブレム」は、環境や学習スタイル、先生との関係性の変化などを要因として、小学校低学年の不登校にもつながる深刻な問題です。文部科学省の報告によれば、幼保小連携を強化することで、子どもたちのスムーズな移行が促進され、「小一プロブレム」の軽減や不登校の予防につながる可能性が示唆されています。

 他自治体では、この課題を見据えた取り組みが進んでいます。例えば、横浜市では「幼保小連携推進地区事業」を実施し、幼稚園・保育園・小学校が協働で研究を進めています。金沢地区では、「幼保小交流活動事業」を通じて、子どもたちが自信を持って小学校生活をスタートできるよう取り組み、良好な成果を上げています。江戸川区もこうした先進事例を積極的に参考にすべきではないでしょうか。

 さらに、地域の関与も欠かせません。横浜市では「区幼保小教育交流事業」を通じて、教職員だけでなく、保護者や地域住民も交えた交流活動を実施しています。地域全体で子どもたちの成長を支えることで、子どもたちは安心感を持ち、円滑に小学校へ移行できます。江戸川区でも、地域ぐるみで子どもを支える仕組みを構築すべきではないでしょうか。

 そこで教育長にお伺いします。

1.教育委員会として、幼保小連携の方針を定め、体系的に推進するお考えはあるのでしょうか?

2.先進事例である横浜市の取り組みを参考にするお考えはあるでしょうか?

3.地域と連携し、子どもたちのスムーズな移行を支える仕組みを構築する考えはあるのでしょうか?

 以上、江戸川区の未来を担う子どもたちのために、誰一人取り残さない教育環境の実現に向けた、確固たる方針と取り組みを強く求め、私の一回目の質問を終わります。

以下、答弁を記載しますが、急いでメモを取った内容なので誤りがある可能性もあります。
質問した議員のもとには書き起こし原稿が来る予定ですので、手元に原稿が届き次第修正します。

区長からの答弁(メモ)

  • 地方自治法違反について
    • 違反する可能性があると考えている
    • 法令順守の違反は、今回の問題の抜本的な原因であると考えている
  • 現在の防止策について
    • 契約を止めることはできないので、法令を順守するように努める
    • 例えば施工例に規定されている緊急随契、分割発注は許容できる基準を定める
    • ダブルチェック体制をとる

教育長からの答弁(メモ)

  • 連携強化について
    • 現在は学校ごとの状況にあわせて様々な方法で実施をしている
    • 学校生活の中での支援の必要性に気づくこともある
    • 今年度は支援センター平井、篠崎、葛西の支援センターが地域の各学校に出向いた
    • 連絡会を行い、支援の必要性が高い子が入学した際は組織的な支援体制を取れるようにする
  • 横浜の取組については、
    • 幼保小の架け橋プログラムのモデル地区として認識している
    • 横浜に限らず、連携接続の形を模索する
  • 地域の繋がりについて
    • 関係機関をはじめとした連携をとることは子どもたち
    • 代表校長、関係部署、幼稚園、協議会との連携を考えていく
    • 評議委員会でも協議事項にする予定

総務部長からの答弁(メモ)

  • 平井東小学校の渡り廊下工事については適切な価格であったと考えている
  • ただし、平井東小学校も含めて全容は引き続き検証が必要であるため、第三者委員会において検証していく

第二質問は行わず、答弁を受けて以下のように意見を述べさせていただきました。

 区長、教育長、部長、ご答弁ありがとうございました。
 ここからは当会派の意見を申し述べたいと思います。
 文教委員会において、他会派の同僚委員によって質疑が行われましたが、地方自治法施行令によって随意契約が可能な金額の範囲については、見直しが必要であると考えています。
例えば、今回特に大きな問題となっています、「契約金額130万円未満の軽易な請負工事として主管課契約で行うことができる工事」の130万円という法的根拠ですが、これは地方自治法施行令によって昭和57年(1982年)に定められました。
 しかし、それから40年以上が経過し、物価水準は変わってきています。
 例えば、1982年の消費者物価指数と現在の消費者物価指数を比較すると、物価はおおよそ1.4倍になっています。これを考慮すると、当時の130万円は現在の182万円程度に相当すると考えられます。したがって、現状の130万円基準は実際の経済状況と乖離しており、基準の引き上げが妥当であると言えるでしょう。

 改めて申し上げますが、当会派では、この5年間の不適切案件によって区民の皆様からお預かりした大事な税金を無駄使いする結果になってしまった可能性が非常に高く、ここでしっかりと襟を正していただく必要がある案件であると明確に申し上げます。しかしながら原因究明を進めていく中で、一自治体の力ではどうしようもできなかった要素があったのであれば、それはしっかりと正してもらえるようしかるべき働きかけをすべきですし、批判するだけでなく是々非々で議論を行っていく必要があるのだろうと考えています。

 また、幼保小連携についてですが、幼保小連携を進めるうえで、保育士や教員の負担増が懸念されます。ある保育士さんから「しっかりと連携を取りたいが、小学校の先生方もお忙しいと報道などで見聞きするし、お願いしづらい」という声でした。単に連携を推進するだけでは、現場の負担が増し、結果として取り組みが形骸化してしまう恐れがあります。

 区としても、現場の声を丁寧に拾い上げ、負担軽減と連携強化の両立を図るための施策を積極的に検討・実施していただきたいと考えて欲しいと思います。以上です。

第二質問を0秒ピッタリで終わらせることができました。(別に0秒ピッタリにすることが美学という訳でもないのですが……)

 珍しいことらしいのですが、第二質問が終わったタイミングで他会派の議員さんから拍手をいただきました。会派が違うと考え方も異なってきますが、区民の利益という同じ方向を向いて仕事をしているので、こうやって拍手という形で応援していただけたのは大変嬉しく思います。
本会議終了後も複数の他会派議員からお褒めの言葉や、現在の国会での検討状況などを共有していただきました。

 今回の不適切な事務については、今年度中に第三者検証委員会を発足させて1回目の委員会を実施したいと総務委員会でやり取りがありました。9月頃には報告書をまとめる方針で、委員会はオープンな形で実施していく予定ということです。
 今のところ、不適切な事務が明らかになっているのは文書の保存期限である過去5年分ですが、おそらくその前から長年続いてきたのだろうと考えています。ここでしっかりと襟を正していただく必要がありますし、議会としても監視機能を強めていかなければなりません。第三者検証委員会をはじめとして今後の動きに注視してまいります。