令和7年度決算特別委員会が終了

令和7年度の江戸川区決算について、決算特別委員会での審査が終了しました。

決算審査では、区が1年間に使ったお金について、適切に執行されたかだけでなく、事業によってどのような成果が得られたのか、改善できる点はないかという視点から質疑を行います。

今回、私たち「維新と区民の会」は、行財政改革と次世代への投資を大切な柱として、行政運営の効率化、公共施設の管理、子育て・教育施策など、幅広い分野について意見を申し上げました。

また、令和7年度決算については、審査を通じて確認した成果と課題を踏まえ、会派として認定する立場を表明しました。

以下、私が会派を代表して読み上げた総括意見の全文を掲載します。

維新と区民の会を代表いたしまして、令和7年度決算に対する総括意見を申し上げます。
まず、令和7年度の各事業の執行にあたり、区民生活の向上に向けて尽力された区長をはじめ、職員の皆様に感謝を申し上げます。
私たちの会派が区政運営において特に重視しているのは、徹底した行財政改革と、次世代への投資です。

少子高齢化が進み、行政需要が複雑化・多様化する中で、これまでと同じ方法で行政サービスを提供し続けることには限界があります。

一方で、子どもたちの教育や子育て環境の充実など、将来の江戸川区を支えるために、今まさに投資すべき分野も数多くあります。

だからこそ、行政においても経営の視点を持つことが重要であると考えます。

民間企業と行政では、その目的も役割も異なります。行政には、採算性だけでは判断できない、区民の生活や安全を守るという重要な責務があります。

しかし、限られた財源や人員をどこに配分するのか、事業に投じた経費に対してどのような成果が得られているのか、より効果的な手法はないのか。こうした視点は、行政においても不可欠です。

単に歳出を削減するのではなく、必要な事業にはしっかりと予算を投じ、そのために既存事業の見直しや業務の効率化を進める。

そして、行政サービスの効率性を追求する一方で、支援を必要とする方が取り残されることのないよう、区民一人ひとりの生活に目を向けることも大切です。

こうした考え方を基本として、以下、決算書の款の順に意見を申し上げます。

まず、歳入についてです。

令和7年度の区税収納率は99.32%となり、23区で第1位という成果を上げられました。

納税者の公平性を確保するとともに、区の貴重な財源を確実に確保するという点で、日々の徴収事務に携わる職員の皆様の努力に感謝を申し上げます。

また、都区財政調整交付金については、本区の財政を支える重要な財源である一方、その制度に依存するだけでなく、区独自の自主財源を確保していく努力も必要です。

さらに、区債の発行についても申し上げます。

本区がこれまで健全な財政運営に努めてきたことは承知しております。

一方で、長期間にわたって利用される公共施設などについては、現在の世代だけがすべての費用を負担するのではなく、将来世代との負担の公平性という観点もあります。

区債の発行を一律に否定するのではなく、財政規律を維持しながら、将来の区民にとって何が最も合理的な選択なのか、引き続き検討していただきたいと思います。

総務費

いじめや不登校など、学校だけでは対応が難しい問題に対して、弁護士などの専門家が学校を支援する仕組みも重要です。
教職員が安心して教育活動に専念できる環境を整えることは、結果として子どもたちの利益にもつながります。

第2款 経営企画費

次に、経営企画費についてです。

令和7年度は、ノーコードツールの活用によって、約3,500時間の業務削減効果があったとのことでした。

こうした取組は、単に職員の業務負担を軽減するだけでなく、限られた人員を、より専門性が求められる業務や、区民と直接向き合う業務へ振り向けることにもつながります。

行政事務とデジタル技術は非常に親和性が高いと考えておりますので、今後も現場の職員の皆様の知恵を生かしながら、積極的に業務改革を進めていただくことを期待します。

第3款 SDGs推進費

次に、SDGs推進費についてです。

区民世論調査では、高齢者の75%以上が紙媒体から情報を収集しているという結果が示されています。

デジタル化を推進することは重要ですが、その一方で、デジタル機器の利用が難しい方が必要な行政情報を受け取れなくなることがあってはなりません。

情報格差によって行政サービスから取り残される方を生まないためにも、高齢者世帯、特に一人暮らしの高齢者を含め、広報誌が確実に届く仕組みを整えることが必要です。

高齢者世帯への広報誌の全戸配布について、検討をお願いいたします。

第4款 新庁舎・施設整備費

次に、新庁舎・施設整備費についてです。

学校改築事業における入札制度については、区内業者の育成という導入目的に対して、どのような成果が得られているのかを確認しました。

区からは、登録企業の経営事項審査の点数が上昇しているとの答弁がありましたが、これは建築業界全体の傾向とも考えられ、区内業者の育成効果を直接示すものとは言い切れません。

制度導入から15年が経過していることや、入札に参加できる業者が限られている実態も踏まえ、制度の目的と成果を改めて検証する必要があります。

特定の事業者に有利な制度となることのないよう、公平性と競争性を確保し、区全体にとって最も有益な入札制度となるよう見直しを求めます。

第5款 危機管理費

次に、危機管理費についてです。

災害時の情報伝達については、区において複数の伝達手段を組み合わせた情報の多重化が進められています。

しかし、重要なのは情報を発信すること自体ではなく、必要な人に、必要な情報が実際に届くことです。

高齢者や障害のある方、日本語による情報取得が難しい方なども含め、災害時に確実に情報が伝わる仕組みを、引き続き検討していただきたいと思います。

また、地震発生時の電気火災を防ぐ感震ブレーカーについては、その必要性や効果を広く周知し、設置の拡大につなげていただくよう要望します。

さらに、避難所に配備されている船外機付きボートについては、災害時に確実に使用できるよう、操作方法の確認や適切な保管管理を徹底していただきたいと思います。

第6款 総務費

次に、総務費についてです。

学校改築事業をはじめとする公共工事の契約については、競争性、公平性、透明性を確保するとともに、限られた財源で最大限の効果が得られる制度運用が求められます。

入札制度については、当初の目的が現在も達成されているのか、事業者の育成や競争環境にどのような影響を与えているのかを、客観的な指標に基づいて検証していただきたいと思います。

制度は一度導入すれば終わりではなく、社会経済情勢の変化に応じて見直していくことが重要です。

第7款 都市開発費

次に、都市開発費についてです。

西瑞江三丁目のまちづくりについては、長年住み慣れた地域に愛着を持つ方々の思いを十分に尊重することが重要です。

まちづくりを進めるにあたっては、一人でも多くの地域住民の声を丁寧に拾い上げ、引き続き、地域の皆様に寄り添った対応をお願いいたします。

また、建築基準法第12条に基づく公共施設の定期点検については、点検で指摘された事項が、相当数の施設で未是正となっていることが明らかになりました。

点検を実施すること自体が目的ではなく、指摘事項を確実に改善し、施設の安全性を確保することが重要です。

主管課への通知や指導にとどまらず、施設課が中心となって是正状況を継続的に把握し、すべての施設で必要な改善が完了するまで、責任を持った対応を求めます。

第8款 環境費

次に、環境費についてです。

公園におけるキッチンカーの出店料については、平日と休日の利用状況や需要の違いを踏まえ、柔軟な料金設定を検討する余地があると考えます。

また、公園駐輪場についても、利用者の利便性を確保しながら、適切な受益者負担のあり方を検討していただきたいと思います。

公共施設や公共空間を単に維持管理するだけでなく、その価値を最大限に活用し、区民サービスの向上と収入確保を両立するという経営の視点を、今後も大切にしていただきたいと考えます。

また、受動喫煙対策についてです。

受動喫煙を防止するためには、喫煙する方と喫煙しない方の双方の立場に配慮し、実効性のある分煙環境を整備することが重要です。

規制や罰則の強化だけでなく、適切な喫煙場所を確保することも必要であると考えます。

喫煙者と非喫煙者が互いの立場を尊重しながら共存できる環境づくりに向け、公衆喫煙所の増設を要望いたします。

第9款 文化共育費

次に、文化共育費についてです。

総合人生大学については、受益者負担の適正化という観点から、授業料のあり方について質疑を行いました。

生涯学習の機会を提供することは行政の重要な役割の一つですが、事業に要する経費のうち、どこまでを税で負担し、どこからを利用者に負担していただくのかについては、合理的な説明が必要です。

これは総合人生大学に限らず、行政サービス全体に共通する課題であると考えます。

また、共育プラザのeスポーツ事業については、若者の関心が高い分野を活用した交流や学びの機会として、今後の展開に期待しています。

ゲームを楽しむことだけでなく、パソコンの構造やプログラミング、デジタル技術への関心につなげることができれば、将来の学びや進路選択のきっかけにもなります。

子どもや若者の興味を出発点として、新しい可能性を広げる取組を進めていただきたいと思います。

さらに、塩沢荘や文学館などの文化施設については、指定管理料を含めた運営コストと事業成果の検証が必要です。

文化施設には、収支だけでは測れない価値がある一方、際限なく経費を投入できるわけではありません。

各施設において明確な事業計画を策定し、計画に基づく事業の実施と成果の検証を行い、効果的かつ効率的な施設運営を進めていただくことを求めます。

第12款 福祉費

次に、福祉費についてです。

おひとりさま支援については、高齢期になってからの対応だけでなく、ミドル期からの早期支援が重要であると考えます。

中年期の単身者が抱える不安や生活上の課題について実態を把握し、必要な支援につながる専門的な相談体制の整備をお願いいたします。

また、ひきこもり支援については、現在行われている相談や聞き取りから得られる情報を、個人情報の保護に十分配慮しながら整理・分析し、支援の充実につなげていただきたいと思います。

相談に来られた方への事後的な対応だけでなく、課題の早期把握や、必要な支援につなげるための施策の検討にも活用していただくことを期待します。

さらに、災害時に支援が必要な方の個別避難計画については、計画を作成すること自体を目的とするのではなく、当事者が災害時にどのような行動を取るのか、具体的に確認しておくことが重要です。

専門家への委託が難しい場合も含め、平時から十分な準備を進めていただくようお願いいたします。

第13款 子ども家庭費

次に、子ども家庭費についてです。

乳児養育手当については、所得制限の撤廃などの制度改正に伴い、支給対象が拡大されてきました。

一方で、東京都による保育料無償化が進む中、保育施設を利用する家庭と、自宅で子育てをする家庭との支援のあり方についても、改めて考えていく必要があると感じています。

子育て支援は、単に給付額を増やせばよいというものではありません。

保護者の就労状況や家庭の事情によって、子育ての選択肢が不当に制約されることのないよう、制度全体のバランスを考えていくことが重要です。

また、保育士の確保については、令和7年度は既存の保育施設で申込児童を受け入れることができた一方、令和8年度には待機児童が発生しました。

保育料無償化による需要の変化も踏まえ、保育士の確保や保育施設の受入体制について、引き続き機動的な対応をお願いいたします。

特に、保育士の人材紹介に係る費用など、各施設の経営上の負担についても、実態を把握し、必要な支援につなげていただきたいと思います。

また、ファミリーサポート事業は、0歳から18歳までの子どもを対象とする、非常に貴重な制度です。

子どもが成長するにつれて、保護者が利用できる支援制度は少なくなりますが、小学生の送迎や見守りなど、実際の生活の中ではさまざまな支援ニーズがあります。

協力会員の確保に向けて、引き続き工夫を重ねていただきたいと思います。

さらに、学童への宅配弁当事業についても、保護者の負担軽減に大きく寄与する取組として、感謝を申し上げます。

注文数が減少している状況は気になるところですが、必要とする家庭が安心して利用できるよう、今後も事業の継続に向けた取組をお願いいたします。

第16款 教育費

次に、教育費についてです。

令和7年度には、小学校登校時間前の居場所づくり事業が開始されました。

この事業は、保護者の就労環境が多様化する中で、登校時間前に子どもが安心して過ごせる場所を確保するものです。

利用人数だけで事業の必要性を判断するのではなく、たとえ利用する児童が少数であっても、必要としている子どもや家庭があるということを大切にしていただきたいと思います。

また、1人1台端末については、令和7年度の端末更新にあわせて、利用時間や動画視聴、インターネットへのアクセスなどの制限が見直されました。

以前は保護者から端末の利用に関する不安や改善を求める声を多くいただいておりましたが、更新後は、そうした声を耳にする機会が大幅に減ったと感じています。

保護者の声を受け止め、適切な利用環境の整備に取り組んでいただいたことに、改めて感謝を申し上げます。

一方で、学校現場では新たな課題も生じています。

その一つが、外国籍児童生徒への対応です。

日本語が十分に理解できない状態で入学・転入する児童や、日本語での意思疎通が難しい保護者が増える中、教職員の皆様には、学習指導だけでなく、保護者への説明や生活面での支援など、さまざまな負担が生じています。

また、発達に関する課題についても、言語や文化的な背景の違いから、学校と家庭が課題を共有すること自体が難しい場合があります。

子どもが適切な支援につながるまでに時間がかかることは、本人にとっても、周囲の子どもたちや教職員にとっても望ましいことではありません。

日本語指導の充実はもちろん、保護者との円滑な意思疎通や、発達に関する相談支援など、教育と福祉が連携した対応を進めていただきたいと思います。

さらに、学校を支えるPTAについても、担い手不足が深刻になっています。

PTAは任意団体ではありますが、登下校の見守りをはじめ、子どもたちの安全や学校生活を支える役割を担ってきました。

今後、PTAの組織形態が変化したり、活動を縮小する学校が増えたりすることも想定されます。

これまでPTAが担ってきた活動のうち、本当に必要なものは何なのか、そして、それを誰がどのように担うべきなのか。

任意団体であるPTAに依存するだけでなく、行政や学校、地域がそれぞれの役割を整理していく必要があると考えます。

また、中学校の内申点についても意見を申し上げました。

高校入試制度そのものは東京都が所管するものですが、学校によって内申点の取りやすさが異なるのではないかという声が保護者の間に存在していることは、区の教育行政としても認識しておく必要があると考えます。

子どもたちの努力が適切に評価され、保護者も納得できる評価のあり方について、引き続き丁寧な対応をお願いいたします。

さらに、学校施設の整備についても申し上げます。

学校施設の解体時期については、新たな建築計画が決定してから解体を行うという手順への変更を、改めて求めます。

これまでも検討を重ねているとの答弁をいただいておりますが、早期の実現を期待いたします。

また、木造・木質校舎化については、学校改築事業における入札不調や建設費の高騰など、事業を取り巻く環境が大きく変化しています。

木造校舎には魅力がある一方、財政負担の増加が懸念される中では、事業の優先順位を改めて検討する必要があります。

学校改築事業全体の円滑な推進を優先し、木造校舎化の取組については、一時凍結も含めた見直しを求めます。

結びに

最後に、改めて申し上げます。

私たちは、行財政改革と次世代への投資を、相反するものだとは考えていません。

むしろ、次世代への投資を続けていくためにこそ、不断の行財政改革が必要であると考えています。

行政が担うべき役割を見極め、既存事業の必要性や成果を検証し、限られた財源と人員を効果的に配分していくこと。

そして、そこで生み出された財源や人的資源を、教育や子育て支援をはじめ、将来の江戸川区を支える分野へと振り向けていくこと。

同時に、効率性だけでは測ることのできない区民一人ひとりの暮らしにも目を向け、必要な支援を確実に届けていくこと。

これこそが、私たちの考える持続可能な区政運営のあり方です。

決算審査は、過去の支出が適切であったかを確認するだけでなく、その成果を検証し、今後の予算編成や事業の改善につなげるための重要な機会です。

令和7年度決算で明らかになった成果や課題を、次年度以降の区政運営にしっかりと反映していただくことを要望いたします。

子どもたちが将来に希望を持ち、安心して学び、成長できる江戸川区であるために。

そして、すべての区民が安心して暮らし続けられる江戸川区であるために。

引き続き、行財政改革と次世代への投資を両輪として、区政を進めていただくことをお願い申し上げ、維新と区民の会の総括意見といたします。

今回の決算審査では、区の取組によって着実に成果が生まれていることを確認できた一方、長年続いてきた制度の見直しや、費用対効果の検証が必要な事業も見えてきました。

行政の仕事は、必ずしも数字だけで成果を測れるものではありません。利用者が少なくても必要な事業もあれば、一定の成果が出ていても、より効率的な方法を検討すべき事業もあります。

大切なのは、「何のために行う事業なのか」「区民の暮らしにどう役立っているのか」を問い続けることだと考えています。

決算審査で指摘した課題が、その後どのように改善されていくのか。今後の予算審査や委員会活動でも、引き続き確認してまいります。