9月17日、第3回江戸川区議会定例会を前に、江戸川区長の定例記者会見が行われました。
今回の会見では、豪雨などの災害対策から、待機児童対策、新たな子ども未来館、物価高への支援まで、区民生活に関わるさまざまな発表がありました。
特に子育て世帯にとっては、「大雨のとき学校はどうなるの?」「保育園に入れるの?」「新しい子どもの施設はどこにできるの?」など、気になる内容も多く含まれています。
ポイントを分かりやすくまとめます。
① 大雨のとき、学校や区施設はどうなる?判断基準を事前に公表へ
近年、短時間での猛烈な雨が増えています。江戸川区でも7月17日、8月13日に「大雨危険警報レベル4」が発令されました。
こうした際に、「学校は休みになるの?」「区民館は開いているの?」と迷うことがありました。
そこで区は、警報発表時に学校や区施設を閉める基準を、平常時からホームページなどで公表する方針を示しました。
区長の説明によると、小中学校については、前日の14時時点で翌日の6時~18時にレベル3以上となる見込みの場合、登校ではなくオンライン授業に切り替える考えです。幼稚園・保育園については休園となります。

一方、区民館、コミュニティ会館、文化・スポーツ施設、図書館などは、基本的にレベル4で閉館する考えが示されています。
また、小松川第一トンネルでは、冠水対策として新たに3台のカメラを設置。離れた場所からもトンネル内外の状況を確認できるようにします。
先日の大雨でも、学校を休校にするのかどうか、各自治体で判断が分かれました。
天候は予測通りにならないこともあるため、すべてを機械的に決めることは難しいと思いますが、「どういう基準で判断するのか」をあらかじめ区民に示しておくことは大切だと考えています。
② 大規模災害が起きたら「水」はどうする?
今回かなり詳しく説明されたのが、災害時の水の確保です。
東京都の想定では、首都直下地震が発生した場合、江戸川区で発災直後に水道が供給されるのは約32万人、供給率44.1%。約70万人全員への供給が回復するのは17日後という想定です。
そこで区内には、断水時にも給水できる給水所・応急給水槽が8か所あり、さらに避難所給水拠点13か所へ水を運ぶことで、区内のどこからでも徒歩20分以内で水を確保できる体制をとっています。
さらにスタンドパイプを区内136か所に設置し、徒歩5分以内で給水できる体制を目指すとの説明もありました。
ただし、水は「飲めればいい」というものではありません。
お風呂、トイレ、洗濯などの生活用水も必要です。
区では公共施設127施設に376基あるシャワーの活用や、区内23か所の公衆浴場との連携を検討。また、マンホールトイレは現在1,066基あり、防災井戸や学校のプールの水なども活用していく考えが示されました。
災害時の「水」というと飲料水に目が行きがちですが、長期の避難生活を考えれば、トイレや衛生環境まで含めた備えが重要です。
③ 待機児童が75人に。来年4月に700人分の定員拡大へ
子育て世帯にとって非常に大きな発表です。
江戸川区では令和4年度から令和7年度まで4年連続で待機児童ゼロを達成していましたが、令和8年度は75人の待機児童が発生しました。
内訳は、
0歳児18人、1歳児57人
です。
資料では全国で5番目に多い待機児童数となっています。
一方で、単純に「保育園を増やしてこなかった」という話でもありません。
過去10年間で認可保育施設は110園から186園へ76園増加、定員も11,357人から16,717人へ5,360人増加しています。さらに令和8年度は、保育施設を利用する児童の増加数が466人と全国の自治体で最も多く、定員も590人増やしています。
それでも0・1歳児を中心に需要が上回った形です。
区は令和9年4月に向けて、
- 新しい保育園5園を開設:約360人
- 0~2歳を受け入れる園を3園追加:約140人
- 区立園の定員増、私立園の弾力化など:約200人
合わせて700人分の定員拡大を目指します。
ただ、施設だけ増やしても保育士がいなければ受け入れられません。
そのため、保育人材確保への支援についても拡充する方針が示されました。
江戸川区は子どもの人口自体は減少しています。それでも保育需要が増えているということは、人口だけでは今後の保育ニーズを予測できないということでもあります。
働き方や保育ニーズの変化もしっかり見ながら、必要な受け皿を確保していく必要があります。
④ 北葛西に「新たな子ども未来館」
私が特に注目しているのが、こちらです。
現在、篠崎町には「子ども未来館」があり、小学生を対象にさまざまな探究型の講座を行っています。2025年度には573回の講座が開催され、延べ11,858人が参加しました。
今回、2つ目となる「新たな子ども未来館」を整備する方針が示されました。
場所は、今年3月に閉園した旧宇喜田幼稚園(北葛西4丁目)です。
土地・建物を区が購入するため、今回の補正予算案には26億4,407万円が計上されています。建物は2015年築と比較的新しく、既存施設を活用します。
現在の子ども未来館が持つ「学び」に加え、新施設では屋内で「学び」「遊べる」施設を目指すとのこと。
内容については、民間事業者だけでなく、子どもたち自身の意見も聞きながら検討していく予定です。
令和8年度に土地・建物を取得し、令和9年度に基本計画策定・工事、令和10年度の開設が予定されています。
子どもたちが雨の日や猛暑の日にも安心して過ごせて、さらに「やってみたい」「もっと知りたい」という気持ちを伸ばせる場所になることを期待しています。
一方で、26億円を超える土地・建物の取得となりますので、議会でも内容や費用についてしっかり確認していきたいと思います。
⑤ 物価高に苦しむ区内事業者への支援
物価高への対応も発表されました。
区が行った産業実態調査では、区内事業者から固定費への補助や資金繰りへの支援を求める声が多く寄せられたとして、介護・保育施設への物価高騰支援に加え、融資制度を拡充します。
「経営安定資金特別融資」では、融資限度額をこれまでの1,000万円から2,000万円へ拡大。本人負担となる金利は0.5%となるよう利子補給を行い、信用保証料は全額補助する方針です。
物価や人件費などの上昇が続く中、区内の事業者が事業を継続できる環境づくりも重要です。
⑥ 江戸川区の公式PRキャラクター「エドリバー」
最後は少し楽しい話題です。
これまで江戸川区には、なんと35体ものキャラクターがありました。
そこで区を代表する公式PRキャラクターとして誕生したのが、「エドリバー」です。
缶バッジ250円、ポロシャツ3,000円などのグッズ販売も始まっており、今後はアクリルスタンドやシールなども予定されています。
面白いのは、単なるPRグッズではないところ。
缶バッジなどの一部の制作工程を区内の福祉作業所に依頼し、障害のある方の就労収入の確保にもつなげる取り組みになっています。
また、江戸川ナンバーの寄付金を活用し、エドリバーをデザインした反射材キーホルダー約6,300個を制作。地域イベントや交通安全教室などで配布する予定です。
今回の記者会見を受けて
今回の記者会見は、災害対策、子育て、地域経済など、区民生活に直結する内容が多くありました。
特に私は、待機児童対策と新たな子ども未来館、そして豪雨時の学校の対応に注目しています。
行政が新しい施策を打ち出すことは大切ですが、それが実際に区民にとって使いやすいものになっているのか、費用に見合った効果があるのかまで確認するのが議会の役割です。
今回発表された内容の中には、第3回定例会の補正予算案としてこれから議会で審査するものもあります。
私自身も、子育て中の一人として、そして区議会議員として、「発表されて終わり」ではなく、その後どう実施されていくのかをしっかりチェックしていきます。
また議会で分かったこと、新しい動きがあれば、こちらのブログやSNSでも随時お知らせしていきます。

